第28回 仕事のモチベーションは、メルセデス。

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第28回 仕事のモチベーションは、メルセデス。

安田

今日はポスティングのことでも経営のことでもなく、前から個人的にお聞きしたかったことを聞いてもいいでしょうか?(笑)


中辻

え、なんだろう? どうぞどうぞ(笑)

安田

中辻さんって車がお好きだそうですが、噂によると、メルセデスしか乗らないんですって?


中辻

笑。そうですねぇ、最近はもうずっとメルセデスです。…って、これなんか嫌味っぽくなっちゃわないですか?(笑)

安田

いえいえ大丈夫ですよ(笑)。いつ頃から乗ってるんですか?


中辻

5〜6年前ですかね。ちょうどMAMENOKI COMPANYが軌道に乗り始めた頃。

安田

もともとメルセデス一筋だったわけですか?


中辻

いえ、実はそうでもなくて。というのも、それまでの私は、ドイツ車って維持費も高いしすぐ壊れるし…って勝手なイメージを持っていたんですよ。

安田

私もそのイメージですけど、実際は違いました?


中辻

いえ、それもあながち間違ってはいないんですけど(笑)。

安田

笑。じゃあなんでわざわざドイツ車を選ぶんですか?


中辻

やっぱりそこは、国産車にはない魅力があるからですかね。だからたとえ維持費が高かろうと、ちょっとした傷にバカ高い修理費がかかろうとも、ドイツ車を選んでしまう(笑)。

安田

そういうもんなんですね(笑)。ちなみにドイツ車もいろいろあると思うんですが、その中でメルセデスを選ぶのにも何か理由があるんですか?


中辻

はい。私、メルセデスの見た目が好みなんです。

安田

ほぉ、見た目重視なんですか。


中辻

ええ。実はドイツ車にもその時々の流行があって。最近だと内装も外装も直線を基調としたシンプルデザインの車体が多いんです。ところがメルセデスは独自の道をいっている。一言で言うと「派手」なんですよ(笑)。

安田

そうなんですか(笑)。じゃあ内装もゴテゴテしてる?


中辻

でも派手なのにすごく緻密に設計されていて、スタイリッシュなんです。

安田

笑。昔から車好きだったんですか?


中辻

はい。今も昔も変わらず、「娘」と「車」のために仕事をしていると言い切れるほど好きですよ!

安田

へぇ〜! そんなに好きだったんですね。じゃあこれまでもずっといい車に乗り続けてきたんですね。


中辻

いえ、それが全然そんなこともなく。国産の軽自動車や中古車に乗っていた時期も長いです。というのも、私の購入基準は「自分の身の丈に合った車かどうか」なので。

安田

それは堅実ですね。じゃあ、ご自身の収入が上がるに連れて車のグレードも上がっていったわけですか。


中辻

仰る通りです。ペイント王に入社したあたりからは、3ナンバーの車に乗れるようになりましたね。

安田

下世話な話で申し訳ないんですけど、車の購入費って経費で落としていないんですか?


中辻

自分がプライベートで乗る車は、自分が稼いだお金で買うのがこだわりなんです(笑)。

安田

へぇ〜そうなんですか。


中辻

「今よりもう少し高いクルマに乗り換えたい」とか「自分の好きな車に買い替えたい」って思うから、もっと頑張って働こうと思えています。

安田

なるほど。もっといい車を乗り回すことを目指して、仕事のモチベーションをあげるというわけですか。


中辻

いや…実は私、車を運転することは、それほど好きじゃないんですよ(笑)。

安田

え?! メルセデスに乗っているのに、走り屋じゃないんですか?!(笑)


中辻

はい(笑)。基本、真ん中か左車線しか走りませんし、法定速度をしっかり守りますので、スピード違反なんてもってのほか。メルセデスすけど、煽られてしまう側の人間です(笑)。

安田

それはもう、メルセデスである必要性がないんじゃないですか?(笑)


中辻
よく言われます、軽自動車でいいじゃんって(笑)。でも私、見栄っ張りなんですよ。メルセデスを所有している「キラキラしている自分」が好きなんです。
安田
みんなに羨望の眼差しで見られたい、と(笑)。

中辻

そうかも(笑)。私はもともとすごく貧乏だったので、キラキラしている「あちら側の人たち」にずっと憧れていたんです。だから努力をし続けて「あちら側の人間」になれた今、その喜びを噛みしめています(笑)。

安田
なるほどなぁ。幼少時の強烈な経験や想いが、今の中辻さんの原動力につながっているんでしょうね。

中辻

私、こんないい車が買えるくらいたくさん仕事をして社会に貢献できたのよ、っていう自己満足みたいなものですけど(笑)。

安田
いやいや、素晴らしいと思いますよ。憧れることはできても、実際にそこまで到達することって、並大抵の努力ではすまないですから。

中辻

ありがとうございます(笑)。

安田
あの、私たちオジサン世代の三種の神器といえば、マイホーム・車・腕時計だったんですよ。中辻さんって、確か今、新居も建設中でしたよね? もうすでに2つも手に入れましたね(笑)。

中辻

実を言うと前々から腕時計も欲しいと思ってます(笑)。ただ、今の私の現状と照らし合わせるとまだ時期尚早かなと、ひとまず堪えています。

安田
すごいなぁ。ある意味、すごくわかりやすい野心家ですよね。でももうそろそろ満足しちゃうんじゃないですか? 全部満たされたぞ〜って。

中辻

いやいや、それは全くないです。周りの経営者の方々と比べたら、私なんてまだまだ下の下レベルなので。もっと上のレベルを目指してどんどん突き進んでいきますよ!

安田
すごい! ではこれからもどんどん上級クラスのメルセデスに乗り換えながら、制限速度を守って走り続けるわけですね(笑)。

中辻

はい、そして煽られておきます(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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