第7回 西崎康平の著書『レベルゼロ』について

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第7回 西崎康平の著書『レベルゼロ』について

安田

今回は西崎さんの書籍についてお聞きしたいと思います。クラウンドファンディングで支援者を募ったということで、話題になっていましたね。


西崎

そうなんです。あ、安田さんもご支援ありがとうございました!本当に嬉しかったです。

安田

とんでもないです。それに、別にお付き合いで支援したわけじゃないんですよ。私、そういうのやらないタイプなんで(笑)。


西崎

ということは、本心からご支援くださったということですね。ますます嬉しいです。

安田

ええ。すばらしい試みだなと思ったので。というのもね、私は以前から「小学生のうちからビジネスを学ぶべきだ」と公言している人間で。


西崎

ああ、そうですよね。

安田

まぁ、私自身は偉そうに言うだけで何もしてないんですけど(笑)。だから西崎さんのように、「ビジネス書を作って学校に配る」ってすごいな、すばらしいなと。ちなみにどういうキッカケだったんですか?


西崎

まず角川さんから「本を書いてくれませんか」とお話をいただきまして。興味はあったので二つ返事で「やります」と軽く返事しちゃったんですよ。

安田

なるほど(笑)。何を書くかを決める前にOKしてしまったと。


西崎

まさにそうなんです(笑)。後日「ちょっと待てよ、俺は何を書けばいいんだ?」となりまして。

安田

笑。まぁでも、要するにビジネス書を出したいってオーダーだったわけですよね。


西崎

それはそうなんですが、僕よりよっぽど実績ある方々が、既に有益なビジネス書をたくさん出しているわけじゃないですか。そんな中で僕が価値提供できることなんて果たしてあるんだろうかと。

安田

ああ、そういうことですね。それでどうしたんですか?


西崎

なかなか答えが出なかったので、ちょっと視点を変えまして。「何を書けばいいんだろう」じゃなくて、「誰に一番読んでもらいたいだろう」って考えたんです。それで最初に思いついたのが、「若い頃の自分に読んでもらいたい」ということで。

安田

へぇ。つまり自分向けの本なんですね。


西崎

そういうことです。一応20年近くビジネスをやってきて、それなりの経験値はたまっている。この経験値を大学生の自分、いやもっと言えば中高生だった頃の自分に伝えたいなと思ったんです。

安田

なるほど。確かに今の知識と経験を持って小学生からやり直せたら、人生は劇的に変わるでしょうね。


西崎

そうなんですよ。逆に言えば、僕自身はこれまですごくもったいない時間の使い方をしてきたなと。高校や大学を選ぶときも、自分の偏差値や学校の知名度だけで決めていた。「これがやりたいからこの大学のこの学部に入ろう!」なんて考えてもいなかったんです。

安田

まぁ、それが学生さんの普通の考えですよね。


西崎

それはそうなんですけど、でも実際、いま日本って全体的に弱くなっていると言われますよね。

安田

そうですね。実際いろいろな面で他国に抜かれていってますからね。


西崎

ええ。それを僕は「1人あたりの競争力が弱くなっている」と捉えていて、根本的な原因は「教育」にあるんじゃないかと思っているんです。それは学力だけの問題じゃなくて、ビジネスにも絶対に通じている。

安田

仰るとおりだと思います。いま日本で学生向けの塾と言えば、ほとんど受験のための塾ですよ。学生がビジネスを学べる仕組みなんてないんです。


西崎

ええ。逆に言えば、そういう機会が学生の頃から得られていれば、たとえば進学や就職のときに「自分はこうしたいんだ」という方向性が見えると思うんです。つまり自分で自分の人生を選び取っていくことができる。

安田

ええ、私も心からそう思います。だからこそ今回の試みを支援させていただいわけです。ただ、水を差すようなことを言って申し訳ないんですが、なかなか簡単なことではないよ、というのも感じていて。


西崎

と言いますと?

安田

私も以前、大学生向けに講演なんかをしていたんですよ。「こうした方が将来の選択肢が広がるよ」「もっと稼ぐことができるよ」と。でも、なかなか聞く耳を持ってもらえない。


西崎

ははぁ、なるほど。

安田

結局ね、先ほどの塾の話じゃないですが、彼らは「よりいい学校に入ること」が何より大事なんです。本人だけじゃない。周りにいる親や先生も、そのレールから降りるなんてとんでもないと思っている。


西崎

確かにそうかもしれない。一般的な道を外れることを極度に恐れますよね。

安田

ええ。だから大学生、ましてや中学生小学生にビジネスのことをどう伝えるのか、どうやって聞く耳を持ってもらうのか、というのは非常に興味があるところで。まだ本が手元にないので読めてないんですが、西崎さんはどんな書き方をされているんですか?


西崎

そうですね。難しいことはまったく書いていません(笑)。一言で言うなら、「結果が出ていない人は何かができていないんだよ」「ちゃんとやれば結果は出るよ」ということを、できるだけ易しく書いています。

安田

ふむ。もうちょっと具体的に言うとどんな話なのでしょう。言える範囲で教えてください。


西崎

そうですね。仕事でもスポーツでも勉強でも、結果を出すプロセスは同じだと思っていて。つまり、準備力、行動力、思考力、継続力の4つです。この4つのポイントの総和が評価点になると。

安田

なるほど。つまり結果が出ていない人というのは、どれかの点が、あるいはすべての点が足りていないんだと。


西崎

その通りです。だから、ビジネスをやっている人にとってはもうこれ以上ないくらい当たり前の話を書いています(笑)。

安田

笑。確かに王道のセオリーという感じですが、そうなるとむしろ違和感があるんです。だってトゥモローゲートの西崎さんって、いわゆる「王道の経営者」ではないじゃないですか。


西崎

確かに王道には見られていないでしょうね(笑)。

安田

でしょう? 実際ね、ビジネスって成功パターンがあるようでないというか、むしろ逆張りした会社が成功していたりもするわけで。そういう意味では、「答えのない世界」だと思うんですよ。


西崎

その通りですね。著書にはさきほどの4つの力を常識と非常識という二つの観点から、考え方が具体的なアクション例を書いてます。正直僕はこの本を読んだ全員に成功して欲しいなんてまったく思ってなくて、ビジネスについてちょっとでも考えるキッカケになったらいいな、その中の一人でもこの本を通して大きく変化してくれたらいいな、そのくらいの感覚です。

安田

なるほど。確かにそういうキッカケは1つでも多い方がよさそうです。


西崎

それでいうと、トゥモローゲートでは年に1回、小学生向けのインターンシップイベントをやっているんですよ。小学生にウチのオフィスを案内したり、仕事を体験してもらうっていう。

安田

へぇ! それはいいですね。


西崎

ええ。「僕もこんな仕事がやりたくなりました!」なんて言われたらたまらないですよ。中には「あの日からこんなチャレンジを始めました」なんて手紙を書いてくれる子もいたり。

安田

いやぁ、素敵だなぁ。


西崎

だから今回の書籍も、そういう小さなキッカケを広げる手段として考えているんです。100人のうち1人でも何かを感じてくれたらと。

安田

なるほど。ちなみになぜクラウンドファンディングの形式にしたんです?


西崎

それも狙いがあって、ウチだけの試みで終わってほしくないんですよ。これを見た他の会社の経営者が、「よし、俺も子どもたちのために一肌脱ぐか」となっていったら嬉しくて。

安田

ははぁ、つまり「学生にビジネスを教える」ということをムーブメントにしてこうと。いや、さすがですね。これを読んで興味を持った社長さん、ぜひ真似してください。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数18万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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