其の廿四 おしゃれってなに?

イノベーションカードが知らせる
本日の斬り口:どこが難しい?
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拙者、むかーし
修行の一環として
猫と暮らしていたことがある。

この猫は

アビシニアン

という種族であった。

しなやかな動きで
顔も小さく、
ほっそりしてて

わたし、優美なのよ

って言いながら
歩いているような
猫であった。

あまりの優美さに

なでたいなー。

と手を伸ばし、
拙者がなでようとすると

シャーーーーーーーッ!!!!!

と鬼の形相になり、
拙者の手に
その爪を
食い込ませてきやがる。

ほかの人が
手を伸ばすと

ゴロン、ニャン(ΦωΦ)

と優美に
なでられている。

拙者がなでようとすると、
鬼の形相。

この形相は、
N○Kの人形劇で
トリカブトの毒に
やられた女の顔が
瞬間に般若の形相に
切り替わる場面を
なんども
思い出させたものだ。

おしゃれ

という言葉は
一見、しなやかで
優しげな
様子を見せているが、

拙者に心を許さない
このアビシニアンのような
感じを漂わせている。

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このマラリア海峡より深い
爪痕とトラウマを超え
漂わせている何かに
迫っていくでござるよ。

おしゃれな○○○

といったら、
○○○には
どんな言葉が
入るだろうか。

1 おしゃれな服
2 おしゃれな靴
3 おしゃれな髪型
4 おしゃれな部屋
5 おしゃれな建物
6 おしゃれな人
7 おしゃれな空間
8 おしゃれなチョコ
9 おしゃれな食パン
10 おしゃれな小僧
11 おしゃれな本
12 おしゃれな指輪
13 おしゃれな犬
14 おしゃれな猫
15 おしゃれな車
16 おしゃれな電車
17 おしゃれなスマホ
18 おしゃれなゴミ箱
19 おしゃれな棺桶
20 おしゃれな墓

上記20個から
あなたが
違和感を感じる
組み合わせは
何番だろうか?

なぜ、違和感を
感じたのだろうか?

違和感を感じたのは

まさか、これが
おしゃれなはずない。

という
あなたの

思い込み

が浮き彫りに
されているとも
言えるのでは
ないだろうか。

おしゃれという
言葉には
自分の心の中の

隠されたヒエラルキー

を明らかにする
力がある。
あなどれないでござるよ。

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おしゃれには、
そんな
心の中の

階層化

を明らかにする
力だけではない。

ある2つの域が
存在することが
すぐさま
想像される。

人から評価が得られる

という域と

自分が満足できればいい

という域だ。

この2つの域が
自分の内にあり
重なったり
離れたりと
脈動し、かつ
葛藤している。

葛藤

ということは
人間だけが
行なっている。

葛藤苦悩する姿

それ自体が
ときどき

おしゃれさ

を醸し出し
人を誤解の
世界へと誘う。

映画や文学からも

悩める青年
おしゃれ活用

がその文脈や文体に
多く散見される。

実生活においても、
この活用に
まんまとハマり
苦い恋愛を
経験した人は
少なくないだろう。

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ってことで
おしゃれは服装に気を配るといった領域を超えている。

おしゃれとは

それに触れる者の観念世界を揺さぶりまくる戯れ

でござる。

拙者は、自分の心地よさ=おしゃれ、でござるよ。

 


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野ゆうこ

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

株式会社つくるひと 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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