其の参十六 登山ってなに?

イノベーションカードが知らせる
本日の斬り口:詳しい人に聞いてみる
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登山。
人はなぜ山に登るのか?

拙者の身近では
この世のとーちゃんが

登山好き

でござる。
彼は元銀行マンで
独身のころ、
休みのたびに、
深夜バスで
登山口までいき、

日本アルプス

を単独登山をしていた。

富士は見る山

ってことで、
富士が見える山を
ぐるり登り続けたという。

1度、冬山の
単独登山で、
足を滑らせ、
落ちたことがある。

落ちながら

死ぬな

と思ったらしい。
空気がゆっくりと
動く感じがして

ズボッ

となった。
運が良いことに
枯れ枝がうずたかく
積まれた場所に
落ちた。

死なずに
右ひじを骨折した

だけですみ、
右ひじの手当てを
自分でやり、
コンパスで位置を確認し
下山した。

とーちゃんの
右ひじは
まっすぐ伸びない。
それは、このときの
怪我のためだ。

そんな命がけの
経験をしながら
結婚するまで
単独登山を続けた。

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そんなとーちゃん。
拙者がよちよちと
歩き始めたころから
いろんな山に
連れて行ってくれた。

本格的な登山ではなく、
登って山頂でお弁当食べて
下山して温泉に入る。
といった娯楽登山だ。

登山をしながら、
山のマナーを
仕込まれていった。

何度も繰り返し
言い続けたことに、

山では人の本質が出る

ということだ。

たとえば、
山で道に迷った時

立ち止まって
冷静に状況を把握する

ってことが必要なのだが、

不必要にオロオロ

したり、

不必要にウロウロ

したり、

不必要にビクビク

したりする。
この

オロオロ
ウロウロ
ビクビク

はすべて命取りになる。
だから不必要。

常に平常心でいることが

本当の強さなんだよ

と繰り返し、
話してくれた。
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とーちゃんと
同じようなことが
漫画でも書かれていて
はっとしたことがある。

MASTERキートン

という漫画だ。
主人公はサバイバルの教官を
していたこともある、
大学講師なのだが、

彼が、

3人の次期社長候補のうち
誰がふさわしいか

を相談されたときに

自分なら山に連れて行く

と答えるエピソードがあるでござる。

作品のなかでは
天候が崩れたかなにかして
山の上で窮地に立たされた時
この3人がどういう

行動や言動、判断をしたか

で誰が社長の器かを
観るという話。

拙者のとーちゃんが
言っていたのと同じように

やたらオロオロしたり
ウロウロしたり
ビクビクしたりと
その人の本質が出てきた。

いま、

COVID-19

という新種の課題の山の
ピークアウトに向けて
世界中で多くの人が
判断し、行動している。

オロオロ
ウロウロ
ビクビク

から離れることが
この登山であっても
大切に思えるでござるよ。
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ってことで
登山とは本格的にせよ、娯楽的にせよ、山に登って降りてくるだけではない。

登山とは

本質が丸見えになること

でござる。

拙者、山頂でつくる味噌汁が大好物ででござるよ!


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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