其の四十八 芸術ってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:いつからそうなった
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芸術を斬る日が
きたでござる。

拙者、世をしのぶ
大学院生のころ
芸術学なるものを
すこーしだけ
なめたり、
かじったりしてた。

面白い先生方に
恵まれたが、
その一人である
○○先生は

芸術

という字面が
だいっ嫌い!!!
でござった。

藝術

と書くことが
大切であると
ことあるごとに
繰り返し
指摘なさっていた。

藝と芸

には違いある。

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ちょっとの
違いではなく
まったく違うのだ。

という字には

木や草を
土に植える

という形が
表現されている。

土に苗を植え
育て、実らせる。
というイメージが
そこにはある。

だがしかし、

は、まったく違う。
そもそもこの字は
本来、

うん

と読む。

げい、とは
読まない。

芸(うん)とは
ミカン科の香草で
書物の虫除けに
使われた草の名だ。

日本最初の
一般公開された
図書館の名前が

芸亭(うんてい)

であるのも、
この香草の名が
由来なのでござる。

この字は
防虫に使うために
草を取るので

くさぎる

という意味を持つ。
育てるどころか
切ってしまう。

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藝術とは

育む人間の営みであり
草刈りではないのだ

○○先生は
繰り返し、
拙者に説いた。

人間は、
天地の理の中で
自己を整え
土に種を播き
それを育み
実りを受け取ってきた。

この循環が

藝術

であると、先日、
劇場上映されている

風の谷のナウシカ

を観賞しながら
○○先生の言葉を
思い出しつつ
再認識したでござるよ。

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拙者たちは
いつから

土に種を播き育てる

ということから
離れてしまったのだろう。

から離れた
身体知性は衰え
脳みそ主人公の時を
長く過ごしてきた。

知識を偏重し、
目に見えて
解説できる情報だけが
自分自身を侵食していく。

見知らぬ専門家が
評価した作品を
ありがたがり、

ほかの誰かの
表現物に触れて
補完する。

そして、
自分には無理だ、
才能がないと
独りごちる。

これが

の姿でござる。

ーーーー
19世紀末文学界に
現れた作家、
オスカー・ワイルド氏は
このように言っている。

藝術が人生を手本とするよりもずっと、
人生は藝術を手本とするものだ。

Life imitates art far more than art imitates life.

藝術とは
絵を描くことでも
木や石を彫ることでも
音楽を奏でることでも
詩や物語を書くことでも
舞うことでもない。

この世で限定された
資格をもち、
学びを経た
専門家が携わることでもない。

それらはすべて

手段と選択

に過ぎない。

あなたは

わたし

という藝術作品であることを
もう一度思い出そう。
藝術として生きよ。

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ってことで
藝術とはあなた個人の人生から分離するものではない。

藝術とは

あなたの生命の営み、生活そのもの

でござる。

拙者、植物を育てるのが好きでござるよ。

 


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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