其の四十九 癒しってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:本当にそう?
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拙者、世を忍ぶ
仮の姿で仕事帰りに
新宿○島屋と
サザン○ラスをつなぐ
橋の上を
足早に歩いているとき

見知らぬメガネ男から

こんにちはー。
あなた癒し系ですねー。

と抑揚のない声で
話しかけられたことがある。

拙者を

癒し系

とカテゴライズしたのは
パンダ侍人生で、
このメガネ男だけなので
一般解でないことは
確かでござる。

しかし、多くの人が

癒し系

とか

癒されたい

とか

癒しがほしい

とか言うのは
なぜだろう?

だいたい、
そういう人たちにとって
癒しとは
何のであろうか?
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そもそも癒しとは

癒す

という言葉から
発生したと
言われている。

癒すは、

回復する
調律する

などの意味を持つ。

英語でいうと

heal

にあたる。
この語源は
ギリシア語の

Holos

で、そもそもの意味は

完全なる
全体性の

といった、
丸ごと!といった
イメージ。

これらを
ごちゃまぜにして
考えると、癒すとは

全体性に回復する
完全なる調和

と定義することが
できるでござる。

たとえば、
痛みがある状態から
痛みがなかった
元の状態へと

緩やかに回復し
本来の姿に戻る

ことや、

深い悲しみなど
心の状態が

バランスし、
調和を取り戻す

ことなど
どちらも

自分の内側から
回復する力

を感じる。

癒すという行為は
自分が自分に
施すことなのだ。

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しかーーーし、
ちょっと
言葉をいじって

癒し

となると、

自分自身で
回復する力ではなく
矢印が

外から自分にくれ!

と回復を求める
方向に変化し
俺に、わたしに

くれ、くれ、くれ

の意識の嵐が
この言葉を中心に
吹き荒れている。

癒されたい

という言葉には
裏側があり、
それをペラっと
めくってみてみると

命への信頼の喪失

が、書き込まれているように感じる。

病むことが
当たり前で、
それは自分の命は
回復できない

と思っている
意識体の集合が
われわれである。

あえて、静かに
自分の心に
問いかけてほしい。

あなたは本当に
自分の外側から
癒しが起こると
思ってますか?

それはなぜ?

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たとえば
わたしたちは
呼吸する。

息を吸い、
酸素を身体中に
瞬時に行き渡らせている。

これは自分を
癒してる。

わたしたちは
排泄する。

生命活動を終えた
細胞やら、
なんやかんやが
外に出されていく。

これも自分を
癒している。

わたしたちは
眠る。

眠っている間に
なんとか波が
脳内を上下して
その呼び名を変えながら
目覚めと眠りを繰り返す。

これも自分を
癒している。

なんとなく
気になることを
やってみる。

これも自分を
癒している。

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ってことで
癒しとはあなたの外側に求めるものではない。

癒しとは

あなたの生命が、思考以外のところですでにいつもやっていること

でござる。

拙者、思考は大抵バカでござるよ。

 


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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