其の佰弐 先輩ってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:逆さまにする 
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先輩とは、
一体何か。

拙者、永遠の帰宅部なので
部活動の先輩はいない。

部活動を活発に
行ってきた人たちの
お話を見聞きすると、

先輩

は、

絶対

という言葉と

同じ意味

という特殊で特別な
魔法にかけられて
いるのではないかと
ときどき驚かされる。

たとえば、

先輩の誘いは
断れない

とか

先輩の命令だから
やらなくちゃ

とか。

先輩に言われて
しかたなくやった

とか。

先輩とは

権力

を持ち、
それを善悪の
良識を超えて
自在に使える立場
なのだろうか。

ーーーー
拙者は、

先輩

ってものに
関心を払ったことが
ないのだが、
2つだけ、

それが先輩ってものか

と思ったことがある。

1つ目は、
ある大学の
スポーツチームの
習慣でござる。

新入生は
ほとんど
親元を離れ、
初めての土地で
初めての環境で
初めての生活を
送り始める。

初めて

が3つ以上
重なることは
とても負荷がかかる。

そのため、
このスポーツチームでは

先輩

たちが、
後片付けや
準備、掃除など
ほかの多くの
部活動が

新入生の仕事

としていることを
新入生にさせない。

先輩たちが
新入生を
フォローすることで
初めての掛け算生活の
負荷を少なくする。

よく知るものが
知らない立場を
助けるのは当たり前のことです

と掃除をしている
先輩って立場の学生が
拙者に話してくれた。
ーーーー
もう1つは
ちょっと
不思議なことだ。

拙者が
世を忍ぶ仮の姿で
あるプロジェクトに
携わっていた。

そのプロジェクトが

むむむっ

という状況になり
大きな決断を
拙者がしなくては
ならない局面が
訪れた。

多くの人の利害やら
いろいろな人の
感情が絡んでいたので

よくよく考えなくては

と週末を迎えたときがあった。
拙者一人で考える時間を
とろうと思っていたが、
知人ファミリーと
食事をする予定があり、
出かけていった。

知人の手料理を
食べたり、
みんなで会話したり
していたが、
頭の片隅で

もうそろそろ帰って
例のあれを考えなよ

と拙者の脳内に住う
もうひとりの拙者が
チクチク言い続けていた。

ーーーー
そのとき、
知人の4歳になる
娘さんが、
拙者のところへ
やってきた。

そして、
1枚の紙に
さささささーと
描きながら

こうなんだって

と図解で
示し始めた。

この図解を

ふん、ふん。

と頷きながら
見ていたら、

なんだ。
そうすればいいのか。

とわかったのでござる。

知人の娘さんは
図解が描き終わると
また、自分の
遊びに戻っていった。

拙者、このとき
生まれて初めて

先輩に助けられた

と感じたでござる。
ーーーー
ってことで
先輩とは、年齢が上だったり、先にグループに属している人ではない。

先輩とは

さらりと助けることができる人

でござる。

拙者、先輩と呼んだことも、呼ばれたこともないでござるよ。

 

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パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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