其の佰廿十弐 畳ってなに?

イノベーションカードが知らせる
本日の斬り口:最初に戻ってみる
ーーーー

拙者、世を忍ぶ
仮の小学生のとき
近所に畳屋さんがあった。

畳屋さんを
ちらっと覗くと
腕の筋肉ががっしりした
職人さんが、

ぎゅっぎゅっ

と藁を扱いながら
畳を作っていた。

畳屋さんから
流れてくる
藁のほかほかな
匂いを感じながら
仕事をこっそり
見ていた。

ーーーー
最近、縁があり
手入れを始めた
平家は、台所以外、
畳が敷かれた
和室だった。

2部屋だけ
畳から床張りに
変えることにした。

外した畳を
どうしようかと
思っていたら

畳をくずして
藁が使える

という。

畳をほぐしていくと
驚くほどの
藁がぶわっーと
出てくる。

えええっっ!!!

ってくらいぶわっーと
出てくる。

ぜんぜーん
くたくたな藁ではなく
ぶわっーでござる。

畳屋の職人さんの

ぎゅっぎゅっ

という猛烈な圧は
このための
技である。

ーーーー
この藁を
トントントンと
細かく刻んで、
土と混ぜて

左官やさんが
土壁を使ってくれた。

敷地の水の流れを
ととのえることで
環境を蘇らせる
自然再生プロが

U字溝を外し、
水が循環する
溝と土手づくりに
使ってくれた。

そして、それらの
プロたちが

野菜づくりや
山を整備するのに
使えるから
古畳を保管せよ

稲藁が手に
手に入らなく
なってきている

と教えてくれた。

ゴミではないのでござる。
無駄がないのでござる。
循環するのでござる。

SDGs(エスディージーズ)なんて
言葉がまことしやかに
世界でこだまする前から、

暮らす

ということは
そもそも
そうであったのでござる。

ーーーー
ってことで
畳とは、インテリアの部品ではない。

畳とは

日本の循環する暮らしの智恵でござる。

拙者、畳のうえでゴロゴロするのが好きでござるよ。

 

著者の他の記事を見る


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

感想・著者への質問はこちらから