第126回 継続できないのはなぜ?

 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

何事も成果を出すためには「継続と改善」が欠かせないと言われます。
この考え方に異論のある方は少ないと思います。

ただ、異論はないものの実際に行動できるかどうかは別問題なのでしょう。
だからこそ「継続ができない」という声をよく耳にするのだと思います。

では、なぜ継続できないという状況になってしまうのか?

今回は私自身が過去に継続をあきらめた経験を振り返りつつ、継続と改善について考えてみたいと思います。


「継続と改善」
この2つを考える時に分かりやすい例を挙げるとするなら情報発信ではないでしょうか。

私自身、2006年くらいから約1年ほどブログを通じて情報発信をしてはみたものの、今回のお題のとおり継続ができなくなってしまい、ブログを閉じた経験があります。

ブログの更新をあきらめた時、私はその原因を「何の成果も感じないから」だと考えていました。当時の私と同様の理由で継続をあきらめる方は多いのではないでしょうか。

確かに「成果を感じないから継続をやめる」というのは、一見何の問題もない判断のようにも思えます。ただ、今から当時の自分の判断を振り返ってみると、ちょっとおかしな点もあると思うのです。

そのおかしな点というのが「成果を感じない」というのが継続をやめる原因とするならば、その結果は「何の成果もない」以外にないということ。元々は何かの成果を求めて始めている以上、成果を感じないからといって継続をやめている限り、いつまで経っても現状が変わることはない訳です。

だからといって、私は当時の自分に「気合で継続しろ」と言うつもりはありません。
じゃあ何が言いたいのかというと、それは「継続と改善」のもう一方である、改善に注目してみよう、ということ。

ブログの更新を続けていた頃、私は惰性で継続していただけで、改善するという視点が欠けていたように思います。当然ですが、成果を感じない状況を継続するだけなので、続ければ続けるほどしんどくなっていきます。

これは逆に考えるのであれば、同じ成果を感じられない状況であっても、そこに何かしら自分なりの仮説に基づく改善を加えれば、今までとは違った新しい成果が期待できるようになり、継続も楽しくなっていくと思うのです。

つまり、改善をするから新しい成果が楽しみで続けられるのであり、改善せずに継続ばかりしようとするから新しい成果に期待が持てずに続けられなくなる、ということ。

改善という原因があるから、継続という結果がある。

「これが絶対に正解である」と言うつもりはありませんが、少なくとも今の私はそう考えて物事に取り組むようにしており、そのおかげでこのコラムの連載も楽しめているのだと感じるのです。

 

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著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計29店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。
https://tsujimotomakoto.com/

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