第145回 自分で考えない国民の末路

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第145回「自分で考えない国民の末路」


安田

アメリカ軍がアフガニスタンから撤退しましたね。

久野

はい。早くもタリバンが政権を握ってます。

安田

タリバンが政権を取ったら「またひどい差別にあう」とか、いろいろ言われてますけど。

久野

言われてますね。女性が教育を受けられないとか。

安田

「今回は柔軟に対応するんじゃないか」とも言われてまして。世論を味方につける目的で。

久野

どこまで柔軟に出来るかでしょうね。

安田

イスラムのルールは守るけど「ちゃんと教育も受けさせます」っていう。

久野

とりあえず国際社会に認めてもらわなきゃいけないので。なにかしら折れてくでしょうね、政権取ってしまった以上は。

安田

「ひどいやつらだ!」って日本のメディアは書いてますけど。それだと世界のなかで孤立してしまう。現実的にむずかしいというか。

久野

国際社会を敵に回したらやっていけないでしょう。

安田

タリバンだってネットでいろいろ学んでるはずで。大統領がTwitterをやる時代ですから。SNSで味方を増やしていくことも必要ですよ。

久野

日本でも岸田さんが始めました。

安田

情報を遮断して「国民から搾取する」なんていうのは、むずかしい時代なのかなって気がします。

久野

そう思います。

安田

きちんと情報発信して国際社会の一員になっていくんでしょうか。

久野

どっちかでしょうね。情報を絞りまくって自分達だけでやっていくのか。国際社会と協調するのか。

安田

まだどうなるか分からない?

久野

はい。宗教観のところがどうなるか。イスラムの教えのなかに政治のやり方までも指示されているところがあるので。

安田

そうなんですか。

久野

はい。トップが変えていこうとしても下が協調するかわからない。

安田

なるほど。

久野

そういう意味では、かなり不安材料もありつつの出発になるのかなと。

安田

女性にも教育は受けさせるけど「男子と女子が同じ教室なのはダメ」というルール。

久野

そうみたいですね。

安田

女性が教育を受けられないと国際社会はノーですけど。教室を分けるぐらいはいいんじゃないって気もします。欧米の考え方がすべて正しいわけでもないので。

久野

そうですね。政治って「どちらから見てるか」によって、すごく変わりますから。

安田

ですよね。

久野

今は世界全体がアメリカから見た歴史なんだと思います。

安田

確かに。

久野

だけどその力も弱くなってきてます。

安田

そんな感じがします。軍も撤退させたし。アメリカ寄りの傀儡政治家はこれから大変でしょうね。

久野

すでに大変みたいですよ。

安田

ある意味、自業自得なんでしょうけど。国民じゃなくアメリカを見てやってきたから。

久野

そうですね。

安田

米軍がいなくなった瞬間に国から逃げ出すなんて。国民が支持していなかったことの証ですよ。

久野

「結構いい加減なことをやってた」って言われてますね。

安田

でなかったらタリバンも、あんな短期間で政権を取れないと思う。

久野

支持してる国民もいるでしょうね。

安田

日本にいると「タリバンはひどいやつらだ」の一辺倒で。かなりアメリカ寄りじゃないですか。

久野

はい。

安田

中国に関しても「いずれ大変なことをする」とか言われてて。世界中に植民地をつくったのは中国じゃなく欧米諸国ですけど。

久野

イギリスとアメリカですね、基本的には。

安田

だけど日本人って欧米寄りというか、特にアメリカ寄りですよね。

久野

とんでもなくアメリカ寄りですよ。

安田

それでいいのかなあって思っちゃいます。べつにタリバンや中国の味方をしてるわけじゃなく、きちんと自分の頭で判断したほうがいいと思う。

久野

私もそう思います。

安田

「とにかくアメリカについていけば大丈夫」みたいに思ってる人が多すぎ。

久野

そもそも原爆2発落とされてですよ、東京も名古屋も大阪も空襲にあって、あれは民間虐殺じゃないですか。

安田

そうですよね。

久野

そこまでやられといて、アメリカが適当につくった憲法に従って、「この憲法は平和憲法だ」って教育しちゃってるような国ですからね。こんなこと言って大丈夫かな(笑)

安田

CIAに資格をはく奪されちゃいますよ(笑)

久野

気をつけます(笑)

安田

今回のアフガニスタンもそうですけど、アメリカだって永遠に守ってくれるわけじゃない。

久野

メリットがあるからやってるだけのことです。

安田

当たり前の話ですよね。

久野

国防で6,000億ぐらいアメリカに払ってるじゃないですか。そこも考えなきゃいけないですよ。本当にピンチになったとき、アメリカが守ること前提で国家運営されてる。

安田

地理的に考えても中国のすぐ横にあるわけで。アメリカと中国がこうやって戦ってるときに、どっちとも仲よく、バランスよく付き合ったほうがいいと思いますけど。

久野

中国寄りの政治家は嫌われちゃうんです。

安田

ちゃんと自分の頭を使って考えないと。会社経営と同じですよね。

久野

同じですね。経営者にも損得勘定はもちろんあります。「儲かるから雇ってるんだ」とは言わないですけど。

安田

そりゃそうですよね。

久野

はい。

安田

「社員を大事にします」って話を100パーセント信じるんじゃなく、「損得勘定もあるでしょ」って冷静に考えないと。

久野

そう思います。

安田

アメリカも「日本は俺たちの属国だ」とは言いませんけど。損得でそういう管理をしているのは明らかで。

久野

そこに気づいて付き合ってるならいいんですけど。国民全体が何も考えず、違和感も感じずに付き合ってます。

安田

政治家や官僚がアメリカ寄りになるのは分かるんです。これも損得勘定なので。だけど国民はもうちょっと冷静に考えたほうがいいですよ。

久野

まあ報道がこれだけ偏ってますから。

安田

偏った情報を正しいと信じ切ってる人が多すぎ。

久野

仕方ない部分もありますけど。

安田

そうですか。

久野

だって小学校のときから洗脳されてますからね。

安田

確かに。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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