第280回「全銀ネットトラブルと現金の行方」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第279回「何のための大学なのか」

 第280回「全銀ネットトラブルと現金の行方」 


安田

最近しょっちゅう銀行システムが止まりますけど。

石塚

安田さんへの送金も遅れちゃって。すみませんでした。

安田

大丈夫です(笑)だけど給料が振り込まれなかった人は大変だったみたいです。

石塚

大変ですよね。口座から落ちるべきものが落ちなかったり。

安田

銀行がこんなトラブルを起こすなんて昔は考えられなかったですけど。

石塚

「今までが何も起こらなかったのがむしろ不思議だ」って嘉悦大学の高橋一先生がおっしゃってます。私も同感ですね。

安田

今までたまたまトラブルがなかっただけだと。

石塚

みんなもう少し寛容になったらいいと僕は思います。マイナンバーもちょっとしたトラブルで炎上するし。許容するってことも覚えないと。

安田

たまには銀行振込みが止まっちゃっても「それぐらいは我慢しろ」ってことですか。

石塚

そこは受け入れた方がいいんじゃないかなって。少子化で労働力不足だし。

安田

いやいや。銀行振込みはまずいですよ。

石塚

みんな便利に慣れすぎだと思う。電車も秒単位で到着するじゃないですか。

安田

確かに。

石塚

JR西日本の列車がマンションに激突した悲しい事故があったじゃないですか。数秒の遅れを「また怒られる」ってスピードを緩められなくて。

安田

みんな余裕がなさすぎってことですか。

石塚

そう。海外なんて遅れるのが当たり前っていうか「しょうがないよね」って感じじゃないですか。

安田

でも銀行トラブルはまずいですよ。まだ完全なキャッシュレス社会ではないし。日本の場合は本当に現金がないと生活できない人もいるわけで。

石塚

安田さんはどれくらい非現金決済にしてますか。

安田

90%以上はキャッシュレスですね。現金をおろすのなんて4ヶ月に1回くらい。

石塚

僕も90%台ですね。たまに「現金じゃないとダメ」って店があって。「えー!?」って慌ててキャッシュをおろしますけど。

安田

そういうお店も減りましたよね。

石塚

この3〜4年で減りました。SuicaなりPayPayなり、なんらかの電子マネーを使えるようになって。でも、すごく流行ってるケーキ屋さんって現金払いが多くないですか?

安田

確かに。有名パティシエのケーキ屋とか。現金オンリーの店がありますね。

石塚

現金を持ってないとクリスマスケーキが買えなかったり。

安田

私は行ったことがない飲食店に行く時には必ず現金を持って行きます。でも結局ほとんどの店でクレジットカードが使えるので。現金が減らない。

石塚

お金を下ろす頻度はものすごく減りましたよね。本当4ヶ月に1回とか。

安田

PayPayって最初は怪しいイメージでしたけど、今は普通に使ってます。

石塚

QRコードで1番メインに使うのはPayPayですか?

安田

PayPayですね。

石塚

僕は楽天ペイ派ですね。ほら、楽天の金融事業はいいんですよ。

安田

携帯の業績が悪いから「金融だけ切り離す」って言われてますよね。

石塚

切り離して誰かが引き取るんでしょうね。楽天の金融事業は打ち出の小槌だから。とにかくQRコード決済は楽ですよ。

安田

楽ですね。

石塚

あとはSuicaでも持ってればどこでも行けます。

安田

私はSuicaもPayPayもスマホに入っているので。スマホがあれば困らない。

石塚

じゃあスマホ忘れたらダッシュで取りに戻る感じですね。

安田

スマホがないと何もできないです(笑)それにしても日本のキャッシュレスはいつになったら実現するのか。

石塚

「窓口で年金をもらうお年寄り」がいなくなれば現金は終わりでしょうね。

安田

早くそうなって欲しいです。

石塚

お年寄りはキャッシュじゃないとダメだから。保険証も紙で残せって言うし。

安田

せめて小銭はなくしてほしい。あんな重いものをいつまで持ち運ばないといけないのか。

石塚

おっしゃる通り

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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