第40回 稼いだお金は、メルセデスと娘に使いたい。

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第40回 稼いだお金は、メルセデスと娘に使いたい。

安田

中辻さんはこれまでにも一貫して「ご飯メルセデス娘さんのことにしかお金をかけない」と仰っています。とは言え本当にCHANELのバックやHERMESのバーキンなんかは欲しくないんですか?(笑)


中辻

あまり興味はないですね(笑)。あ、でも「ハイブランド」というくくりで言えば、GUCCIは好きで、キャップとかお財布とかいっぱい持っています。なので、GUCCIだったら欲しいけれど……。

安田

そうなんですね。どうしてGUCCIだけは好きなんですか。


中辻

GUCCIって、お花やサクランボやリンゴのモチーフがついたものが多くて。それが好きなんです。

安田

なるほど。GUCCIというブランドが好きというよりかは、リンゴやサクランボがついているから好きなんだ、というわけですか(笑)。


中辻

そうです。可愛いデザインだから好きだな、と思ったのが、たまたまGUCCIだったというだけです(笑)。

安田

ブランド物に興味がないのではなくて、自分が好きなものにしか興味がないんだぞ、と。


中辻

まさにそうですね。だから私が買うのは、時計やアクセサリーなら全部スワロフスキー、車はメルセデスで、カバンはサマンサタバサ。そこは昔から一貫しています。

安田

きっちりと決めているんですね。


中辻

時計やカバンにお金をかける方もたくさんいらっしゃいますが、私は、ハイブランドだから買いたいわけではなく、好きになったものを買う、という感じですね。

安田

周りに合わせるのではなく自分らしさを貫いているところって、わりと男性っぽいかもしれないですね。よく「女性経営者はバーキンを持てたら一流の仲間入り」みたいに言われますけど、そんなのは正直どうでもいい、と。


中辻

それについてはどうでもいいですね(笑)。誤解のないようにお伝えしたいんですが、もちろんバーキンはとても素敵なカバンだと思います。 ただあの大人っぽいデザインに私があまり興味がないだけで。バーキン1つ買うなら、サマンサタバサのカバンを30個欲しい、というだけです(笑)。

安田

なるほど(笑)。でも女性って何かをチョイスする時、個人の好みよりも、同じ女性から見て「おしゃれ」とか「素敵」とか思われるものに重きを置いて選んでいるような気がします。


中辻

それはあると思いますね。私が良い車を所有したい、と思うところが他の女性経営者の方からするとバーキンだったりするのかもしれませんね。バーキンをもっているととても華やかに見えますからね。

安田

ええ、周りの視線や今年のトレンドといった点を重視しているのかなと。中辻さんはご自分の好み以外は感知せず、でしょうけど(笑)。


中辻

笑。もしもバーキンにキラキラやリボンがついていたら買うかもしれませんけど(笑)、エレガントなデザインが多いと思うので…。だから私はキラキラがたくさんついているサマンサタバサやサマンサベガのカバンを選ぶんです。

安田

キラキラが好きなんですか(笑)。


中辻

めっちゃ好きです。なんでしょう、キラキラしているものに囲まれているとすごく幸せになるんですよね。私の好みもそうですし、身の丈にもあっているから、5〜6万で買えるサマンサタバサのカバンが、私にはちょうどいいと思っています。

安田

じゃあ例えば年収が今の10倍とか100倍になったら、欲しいものは変わりそうですか。


中辻

うーん、どうかなぁ。身につけるものは変わらないんじゃないですかね。車は、もっとグレードアップさせたり、なんなら3〜4台は買っているかもしれないですけど(笑)。

安田

車にはまだまだお金をかけたいぞ、ということですね(笑)。


中辻

ふふふ。でも一番はやっぱり、娘のために使いたいと思っています。

安田

ちなみに中辻さんは、すごく高価だけど欲しい物がある場合、それを手に入れるのをモチベーションにして頑張るタイプですか?


中辻

そうですね。例えば今、狙ってるメルセデスがあるんですけど、結構高いので頑張って貯金しているところです(笑)。とは言っても、本当に限られたものにしか物欲は湧かないんですけどね。

安田

ほぉ。それはモノよりも経験にお金を使いたいということですか。宇宙旅行とか(笑)。


中辻

宇宙旅行、行きたいですね〜(笑)。現実的には、ナスカの地上絵とオーロラを見に行きたいんです。人生に何度も経験できないことにお金をかけたいし、大切な家族と素敵な思い出を作りたいなと思っています。

安田

男性経営者って、家を買って、車を買って、腕時計を買って、競走馬を買ったら、もう欲しいものがなくなっちゃうってよく言うんですよね。でも女性経営者は欲しいものが全然なくならないと。次から次に欲しいものが出てくるんですって。


中辻

ああ、わかる気がします(笑)。

安田

だからある意味、女性が経営している企業はどんどん事業拡大していくんだとも言われているんです。でも中辻さんはあまりそういった「何かが欲しい」という欲望を原動力として経営をしていないイメージです。


中辻

そうですね。結局のところ私の頑張る原動力は「娘」なんです。小さい時にたくさん苦労させてしまったので、今は娘のために頑張って仕事しています。

安田

やはりそこに行き着くんですね。


中辻
ええ。娘のために頑張ることが、自分の幸せにもなるし、部下や部下の家族の幸せにもなる。さらには社会のためにもなるよね、というのがいつも根本にあります。
安田
いやぁ、本当に素晴らしい考え方だと思います。

中辻

とはいえ、自己顕示欲もわりと強いので、仕事で成果を出して感謝されたら、めっちゃ嬉しいですけど(笑)。それからもう1つ、久保さんのために働いているのも大きいです。

安田
社長の久保さんですか。それは自分を経営者として抜擢してくれたからですか?

中辻

そうです。久保さんと安田さんに出会っていなければ、今のこの立場はないので。その恩は一生かけて返し続けなきゃとは思っています。

安田
へ〜。私から見ると、逆に久保さんの運がものすごく良かったと思っていますけどね(笑)。だって中辻さんだったらどんな場所でも必ず開花したと思うので。私としては「中辻さん、久保さんのところに来てくれてありがとう」という感じです(笑)。

中辻

あはは! ありがとうございます。久保さんも少しでもそう思っていてくれるのであれば、嬉しいですね。

安田
口に出して言わないだけで、絶対痛感していると思いますよ(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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