第192回「『乗り捨て』を『カタレン』に変えた小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「『乗り捨て』を『カタレン』に変えた小さなブルーオーシャン」


便利な商品やサービスでも、価格が高くて消費者になかなか浸透しなかったり、コストの面から提供する側が止めてしまったりするケースは多々あります。
その中のひとつに「乗り捨て」レンタカーがあるのではないでしょうか?

レンタカーを借りて旅行を満喫した経験はありませんか? ただ借りた場所まで戻って来て返さなければならないため「面倒だなぁ…、乗り捨てができたらいいのに」と思ったことありませんか?私は、北海道や沖縄で思ったことが何度もあります。
もちろんレンタカーの乗り捨てサービスがないわけではありません。
ただ、高い!!!

乗り捨てというニーズを活かし、デメリットを軽減したサービスが、Pathfinder株式会社の提供する「カタレン」です。

車の回収費用をなくしたことで実現した片道レンタカー

そもそも、レンタカーの乗り捨て費用が高くなるのはなぜでしょうか?
一言で言えば「人件費」です。
レンタカーは、車を借りたい人が貸出店舗に行き、利用後も同じ貸出店舗に返却するというシステムです。乗り捨ての場合は使用者が目的地まで利用し、そこで車を乗り捨てる。乗り捨てられた車は業者が回収し貸出店舗に戻します。この回収コストを利用者が負担するために、費用が高くなるわけです。

「カタレン」はこの回収という手間をなくすことでコストを削減したのです。
どういうことなのか?
Aさんが目的地まで車を利用し、そこで乗り捨てます。乗り捨てられた車を貸出場所まで戻すのは別の方、Bさんに利用してもらうというわけです。
この方法を取ることで、抱えておく車両も少なくて済みます。さらに、実店舗を持つのではなく、シェアカーのように空き駐車場を利用し、利用者本人が「LINE」で予約。解錠、施錠まで行ないます。

現時点では、利用できる箇所は限られているみたいです。
例えば、首都圏と羽田空港とか、成田空港とか。海外旅行に行かれる方が新宿で車を借りて成田まで行き、乗り捨てる。ちょうどその日に帰国した方が、成田空港から新宿まで同じ車両を使って戻ってくる、と言った具合です。

このシステムが日本全国で広まれば、さまざまな場面で「カタレン」が使われることになるでしょう。

例えば…
東京と大阪を移動するとしたらどんな交通手段を選びますか?
まずは新幹線、次に飛行機でしょうか?
新幹線を使うと大阪まで片道15,000円くらいでしょうか?
飛行機だと片道10,000円くらいですが、空港までの移動コストや待ち時間を考えると、ちょっと不便です。
高速バスや夜間バスというもありますね。

ただし、いわゆる盆暮れ正月といった需要期になると利用料が上がったり、予約が取れなかったり…。

ここで出てくるのが新しい手段としての「カタレン」
実際に東京を出発して、大阪で乗り捨てる方も多いらしいです。利用料に加え、ガソリン代や高速料金もかかるのでひとり利用ですと、割高にはなりますが、家族3〜4人での移動や友人同士であれば、新幹線や飛行機よりもグッとお得になります。

経済的な面やクルマ離れから、クルマを所有する人は少なくなりましたが、こうしたサービスでクルマを利用する人も増えていくでしょう。
シェアカーや片道レンタカーはこれから市場が拡大する分野だと思います。
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Pathfinder株式会社
HP:https://www.pfr.technology/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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