私は誰なのか

すべての人にマイカンパニーを。
それが私の理想である。
一人ひとりが自分の会社を持っていて、
自分だけを雇い、自分の居場所をつくっていく。
小さいけれども心地よく、
ちゃんと生活できるだけの、
最低限のものが揃っている会社。

そこに必要なのは固定電話やコピー機ではない。
オフィスすら必要ない。
必要なのは私の商品と私の顧客である。
私だけのオリジナル商品があり、
それを買いたいと言ってくれる顧客がいれば、
人は快適に生きていくことができる。

では、どうすれば
そのふたつを手に入れることができるのか。
やるべきことはシンプルである。
まず私を掘り下げること。
私は一体どういう人間なのか。
誰かに自己紹介するとき、
あなたは自分をどんな言葉で説明するだろう。

名前、年齢、出身地、学歴、職歴、などなど。
いわゆるプロフィールと呼ばれるものには
そのような情報が並んでいる。
少しプライベートを公開している人なら
趣味や家族構成なども書かれているかもしれない。
だがこれだけではその人がどんな人なのかは分からない。
つまり顧客になりにくいのである。

もちろん前出の情報だけでも発注できる仕事はある。
若くて健康な人を雇用したい。
有名大学出身者が欲しい。
〇〇な職歴がある人に頼みたい。
そういう仕事も世の中にはたくさんあるからだ。

だがそれは私の仕事ではない。
それは喫茶店で言うところの
コーヒーやトーストのような仕事である。
確かに商品ではあるがその店である必要がない。
それは私の商品とは言えないのである。

私はどんな人間なのか。
ここをもっと深く掘り下げる。
今まで何をやってきて何をやってこなかったのか。
人は自分がやってきたことで自分を語りたがるが
やってこなかったことも大事なのである。

明確な意思を持ってやらなかったこと。
そこには好き嫌いが現れる。
私は何が好きで何が嫌いなのか。
何が得意で何が不得意なのか。
好きと得意が一致する人はとても少ないが
それはお金と常識に縛られているからである。

野球は好きだが得意ではない。
営業は得意だが好きではない。
ではなぜ野球が好きなのか。
なぜ営業が嫌いなのに得意なのか。
ここを深く掘り下げることで私が誰なのか見えてくる。

私はどんな人間なのか。
どんなことで人の役に立てるのか。
「これはお金になりそう」「ここは世間の評価が高そう」
という先入観を捨てる。
そのとき本当の役割と商品が見えてくる。

 

 

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2件のコメントがあります

  1. その通りだと思いました。
    (1)すべての人にマイカンパニーを。
    それが私の理想である。
     →長男と次男にマイカンパニーを作ります(既に自分には5社あります)
    (2)私はどんな人間なのか。
    どんなことで人の役に立てるのか。
    「これはお金になりそう」「ここは世間の評価が高そう」
    という先入観を捨てる。
    そのとき本当の役割と商品が見えてくる。
    →いつも、赤だらけの先入観を棄てるのに四苦八苦しております。

    いつも貴重なお考えありがとうございます。

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