自己紹介の逆算

初めて会う人に自分のことを説明する。
これを自己紹介という。
自己紹介の目的はいろいろある。
単なる社交辞令の時もあれば、
商品を買ってもらうため、
異性に興味を持ってもらうため、という時もある。

子供にとっても自己紹介は重要だ。
初めてのクラスでなんと自己紹介するのか。
転校先ではどんな自己紹介をするのか。
部活動の先輩や、気になる同級生に
どう自分を紹介するのか。自己紹介が
その後の人生を変えてしまうことだってある。

人は第一印象が9割と言われており、
それは最初の数十秒で決まってしまう。
相手が自分にどのような印象を持つか。
ここをしっかりと考え、コントロールすることで、
人生はまったく違ったものになっていく。
人生とは人間相手の心理ゲームなのだ。

これはリアルな出会いだけの話ではない。
SNSでの出会いもあれば、
サイトやツールを通じた出会いもある。
名刺もパンフレットも、自己紹介を補完する
ツールだということを忘れてはならない。

「身だしなみが大事だ」と言って靴を磨きつつ、
安い名刺やデザイン性のカケラもないパンフレットを
渡す人は多い。すべては自己紹介なのである。
それはその後の対応を決定づける第一印象づくり。

では自己紹介における最重要ポイントは何か。
「私という人間はひとりだがその説明の仕方は
無限にある」という事実をまず理解すること。
目的は何か。相手はどんな人か。
どんな場でどのような状況で自己紹介するのか。
誰かの紹介なのか。飛び込みなのか。
相手と状況と目的によって自己紹介は変わる。

私のどの部分を見せるのか。
どういう順番で見せるのか。
どのような方法で見せるのか。
高学歴で高収入という情報も、
自分で言うか誰かから伝わるかで印象は変わる。
マイナス情報も出すタイミングと
出し方によってプラスに働く。

誰にどんな印象を持ってもらいたいのか。
ここから逆算して自己紹介を設計しなくてはならない。
リアルかオンラインかでも自己紹介は変わる。
オンラインでの1秒はリアルの1秒よりも長い。
だから数十秒も知らない人の話を聞いてはくれない。

そんな面倒なことをして生きていくのは
嫌だと思うかもしれない。
だが多かれ少なかれ、私たちは日々工夫しながら
自己紹介を繰り返している。
マスクをするのも自己紹介。
Twitterをやらないのも自己紹介だ。
人間社会で生きていく以上、
私たちは自己紹介という作業からは
逃れられないのである。

 

この著者の他の記事を見る


尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)

 

感想・著者への質問はこちらから