【読むPodcast | ゲリラマーケティング】福山雅治さん主演のドラマ「集団左遷」についてのご質問。2019年9月25日配信

第365回
福山雅治さん主演のドラマ「集団左遷」についてのご質問。
「とにかく頑張れ」という主人公のセリフにモヤモヤします。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

スケジュール管理不足で2日間ほとんど寝ずにいろいろ活動してましたが、まあ、なんとかなるもんだと思ってます。35歳・金子亜佑美です。

安田

安田佳生です。

金子

はい。今回は30代・事務職の方からご質問いただいてます。安田さん、栃尾さん、金子さん、こんにちはー!

安田

こんにちは。

栃尾

こんにちはー。

金子

いつも楽しく拝聴させていだいてます。質問です。みなさんは福山雅治さん主演の『集団左遷』という番組を見ていますか?

安田

見てません。

栃尾

見てません。

金子

……えー、配転候補の銀行支店に福山雅治さん演じる片岡支店長が配属され、本部が突きつけた無謀な予算を達成するために、片岡支店長がみんなをまとめて目標達成を目指す、という感じの内容です。その中で片岡支店長が「頑張って、頑張って、頑張りましょう!」とみんなをコムス……鼓舞するのですが、その「頑張る」という言葉にすごく違和感を感じます。ある社員の人が「どうやって頑張るのですか?」という問いにも、「とにかく頑張るんです」と片岡支店長が答えます。はじめは片岡支店長の熱い姿勢に冷ややかな対応だった、えー、ギョウイン……

栃尾

行員(こういん)?

金子

行員たちも、次第に片岡支店長の頑張る姿勢を見て、同じように頑張るという考えになっていきます。説明が長くなってしましましたが、この「頑張る、とにかく頑張る」という姿勢がどうも違和感を感じます。右肩上がりだった頃の日本や「モーレツ社員」と言われていた会社員がいた時代の感じがしてしまい、バブル崩壊後に生まれて育った自分からすると共感に欠けてしまいました。ドラマとしては面白いですが、みなさんはどう感じますか?ということでーす。

安田

はい。

栃尾

はい。頑張った!

金子

あ、ありがとうございます(笑)

安田

金子さんは見てるんですか?

金子

見てません!

安田

じゃ、誰も見てないんですね。

栃尾

困りましたね。

金子

すいません(笑)

安田

銀行員の話で、福山さんが支店長、無理な目標達成を会社から押しつけられて、みんなで頑張るという話なんですね、たぶん。

金子

頑張って、頑張って、頑張りましょうと。

栃尾

「頑張る」って言葉、たしかにパッと言いそうになるけど、最近止めようとする自分がいますね。

安田

へぇ~。なぜ?

栃尾

「頑張んなきゃいけないんだっけ?」ってところが。「頑張ってる人に“頑張る”って言ったらあんまよくない」とかも言うじゃないですか。

安田

「うつの人に言っちゃいけない」って言いますよね、よく。

栃尾

言いますよね。そういうので、ちょっと心が弱ってる人には言わないようにとか。

安田

なんで言っちゃいけないんでしたっけ?

栃尾

えーと……頑張る気力がもうないんじゃないですかね。

安田

頑張る気力がない?頑張れない人に「頑張れ」と言うと、余計プレッシャーになるみたいな?

栃尾

私、うつまではいかないと思うんですけど、ちょっと適応障害っぽいときがあって。

安田

へぇ~。

栃尾

さんざん頑張ってきて、なんかもう、へこんじゃってるわけですよね。そのときに「こうやって改善しろ」とか「こうやってやったらいいんじゃない?」とか言われても、まったく受け付けなかったですね。

安田

まあ、そういうときありますよね。

栃尾

だから、そういうときに「頑張れ」って言われても、何もできないだろうなと思いますね。

金子

うんうん。

安田

何て言ってほしいの?そういうときは。

栃尾

そういうとき、何て言ってほしいんでしょうね。

金子

「頑張りすぎないでね」じゃないですか?簡単に考えると。

栃尾

とか言うよね、よく。

安田

「頑張りすぎないでね」……なるほど。「頑張んなくていいよ」ってことですね。

金子

いや、「頑張んなくていいよ」とは、たぶんそれは違ってて。

安田

あ、反抗的ですね(笑)

栃尾

(笑)

金子

(笑)「もう頑張ってるから、そんなに頑張りすぎないでね」っていう。「頑張ってる」が前提にあって、そのうえで「頑張りすぎないでね」じゃないのかなと思ってますけど、どうなんでしょう。

安田

「もう、すでにあなたは頑張ってますよ」ってことですね。

金子

うん。それを言うときは。

栃尾

でも、安田さん、常々「頑張らなくていい」的なツイートをしてませんか?

安田

「頑張らなくていい」的な?そうでしたっけ?

栃尾

「努力の方向が違う」みたいな、「努力と思ってない人がうまくいくんだ」みたいな。それと通じるのかなと思ったんですけど。

安田

うーん……まあ、そうですね。しんどいことをしたらうまくいくとは思ってないですね。

栃尾

うんうん。

金子

うんうん。

安田

「頑張る」っていう言葉、たしかに、なんとなく使ってしまいますが、でも、たしかに好きではないですね、僕も。

栃尾

しんどさが伴ってるような感じがしちゃいますよね。

金子

なんか具体性が何もなくて。「死なないから」みたいなやつあるじゃないですか。「頑張っても死なないから、おまえ頑張れよ」みたいなやつあるじゃないですか、名言的に。

栃尾

ある?

安田

「努力すれば必ず報われる」的な?

金子

とかもそうですし、「死ぬ気でやれよ、死なないから」か、よく言うじゃないですか。そういうのも盲目だなと私は思いますけどね。

安田

そうですね。そういうのが、この人30代ですけど、この世代の人にとっては当たり前なんですかね。

栃尾

「頑張る」に違和感をもつっていうことがですか?

安田

僕らの世代は頑張るっていうのは当たり前で、僕はすごい嫌でしたけど。「頑張れ」って言われて「はぁ?」とか言おうもんなら大変でしたけど。

栃尾

たしかに時代的な流れって気はしますね。「頑張んなきゃいけないんですか?」みたいな。

金子

うんうん。

安田

まあ、でも、金子さんの言うように、どうやって頑張るかというと、「とにかく頑張る」で背中で引っ張るっていうのは、このドラマ見てないんで何とも言えないんですけど、なんとなく美しい感じで昔は思われてたけど、「それってもう、しんどいよね」っていうとこまで世の中全体来てる感じはしますね。

栃尾

うん。

金子

うん。美しいんですけど。その人に魅力があれば。

安田

そうですか?

栃尾

そうですか?

金子

えっ!?

安田

(笑)

栃尾

(笑)

金子

「頑張ろう」って言ってる人に魅力があったら「ついていこう」って思うかなとは思うんですけど。

安田

「努力をしなくていい」っていう意味じゃないんですけどね、僕が「頑張らなくていい」って言うのは。頑張らなくていい努力といいますか。たとえば「1日20時間働くんじゃなくて、2時間しか働かなくても、同じぐらい稼げる方法はないのかな」とかね。

栃尾

あと、ゲームをめちゃくちゃやり込んでいるとするじゃないですか。それは「頑張る」って言わないですよね、あんまり。

安田

「頑張る」って言わないんですかね。

金子

楽しいからやってる?

栃尾

そう、10時間たとえばやってたら。でも、勉強10時間やったら「頑張る」って言うかなと思って。

金子

あ~、うんうん。

栃尾

楽しくてしょうがないことだったら、成果にかかわらずあんまり「頑張る」って言わないのかなと思った。

金子

たしかに。

安田

まあ、ゲームのプロの人にとっては、それが「頑張る」になるんじゃないですか。

栃尾

なっちゃうんですかね、やっぱり。仕事になると。

安田

なっちゃうんじゃないですかね。なんとなく僕は「頑張る」という言葉に違和感を、まあ、この人も感じるみたいですが、僕の場合は、何というんでしょう、具体的な、先ほど金子さんおっしゃってたような、指示ができない人が言うセリフって感じしますね。「とにかく売れ!」みたいな。

金子

うんうん。

栃尾

うん、なるほど。

安田

それで売れるんだったら上司はいらないよな、って感じがしますけど。そういう意味では、理想的な上司って、頑張ってんだけど売れない人に、具体的に「こうやったら、べつに頑張ってる気なくても売れていくよね」っていう指示を出してくれる人がすごいありがたいわけですよね。たぶん人間って、自分の上司は自分じゃないですか、人生においては。

金子

へぇ~。

安田

自分が上司であり、部下でもあるじゃないですか。

金子

あ~、なるほど。

栃尾

マネジメントしていかなきゃいけないと。

安田

そう。自分でマネジメントできるし、自分にマネジメントされてるとも言えるし。だから、自分に「頑張れ」って言うのはあんまり……何ていうんですかね、そういう瞬間もあるのかもしれないですけど、たとえば溺れて死にかけてるときに、「あと、ひと泳ぎ頑張れ」みたいなときに、「ここで泳がずに助かる方法は?」とか考えるわけにいかないんで(笑)そういうときに使うセリフかなっていう感じがして。

栃尾

考えそう、安田さん(笑)

安田

普段、一生懸命働いてしんどいときに、あんまり自分に「頑張れ」って言わないほうがいい気がしますね。

栃尾

たしかに。「気合い!」って感じがしますね。

金子

あ~。

安田

そうですよね。

栃尾

改善策を出さずに「気合いで頑張れ!」みたいな人は、私、ちょっと信用できないなと思っちゃいますね。

安田

そうですね、やっぱり。

金子

でも、自分に言いがちですね、そういう意味では。

栃尾

そうだよね。「2日間寝てない」とかさ、頑張りすぎでしょ(笑)

金子

言いがちですね。「気合いで乗り切れ」みたいな。

栃尾

よくないと思うなあ。

金子

ね、よくないっすね。

安田

気合いで乗り切らないといけないときって本当に切羽詰まったときで、普段そこまで自分を追い込んじゃいけない気がしますね、僕は。

栃尾

うん。

金子

私は完全にスケジュール管理不足だったんで(笑)

栃尾

後悔した?(笑)

金子

後悔しかないですけど。

安田

はい。ということで、おまとめの福山さんの悪口をお願いします。

金子

お願いいたします(笑)

栃尾

福山さんの悪口?(笑)いや、えーと、まあ、「頑張る」というのは具体性がないとか気合いに頼っているっていうことで、本当に頑張るシーンは、人生のうち、ごくごく切羽詰まったときであろうと。……で、何でしたっけ?(笑)

金子

ふはは(笑)

安田

「頑張んなくていい方法を考えることを頑張る」ってことですね。

金子

うん。

栃尾

すばらしい。

安田

はい。ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2019年9月25日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらからhttp://yasudayoshio.com/podcast/#/top


ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。

安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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