このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法:自分勝手に解釈せよ
入浴剤パイオニア企業のバスクリンさん。同社は2006年に津村順天堂(現・ツムラ)さんの一部が分社化されるカタチで独立。その後アース製薬さんのグループ会社となるのですが、独立当初は約半数の社員が50代のベテランで構成されていました。
知見豊富な彼らが築き上げた「会社の歴史や伝統、深い専門知識をどのように次世代の若手社員へ伝承していくのか?」が課題となっていたそうです。
そんな高齢化が進む老舗組織に中途入社したのは2人の20代。外部からやってきた彼らから見たバスクリンは「知見の宝庫」でした。
「看板商品 “バスクリン” や “きき湯” のマーケット知名度は高く、それが故に社内にはどことなく保守的な雰囲気が。。」
一方、「外の世界から見れば、日本の入浴文化を深く知り、入浴剤市場をリードしてきたベテラン社員の知見は、もっとマーケティングに生かせる!」と感じたとのこと。
そこで企画したのが「バスクリン銭湯部」。社員交流イベントとして2か月に1回の銭湯巡りをはじめたのです。裸の付き合いの中で、ベテランから若手へ知識・技術を伝承する。
この活動はやがて会社公認となり、社内勉強会として「バスクリン大学」まで設立され、広く浸透していったのです。
いまでは、社外とのコラボで銭湯文化を盛り上げる企画を実現させるなど、活動の幅はさらに広がり、マーケティングやブランディング効果をも高めているのです。
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