第84回「PickGo」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第84回  「PickGo」

ウーバーや過去のコラムで紹介したDineなど、BtoCのマッチングサービスは沢山ありますが、BtoBも含めたマッチングサービスも普及してきたようです。


商標登録第6143577号(商標権者:CBcloud株式会社)
【商標】

【指定役務】
貨物の輸送の媒介及びそれに関する情報の提供、オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供 など


PickGoは、トラックの配送ドライバーと荷主をつなぐマッチングサービスです。
軽貨物の運送業界においては、荷主から受託した仕事を、元受け会社が、下請け・孫請け企業に再委託することは当たり前に行われています。PickGoを使うと、荷主と配送ドライバー(下請け・孫請け)の直取引が可能となり、荷主にとっては荷物を相手に届けるまでの時間が短くなるメリットが、ドライバーにとっては正当な報酬を得られるメリットがうまれます。また、業界全体で仕事の“転送”という無駄な作業がなくなります。

これは「仲介業者をなくす」というシンプルなビジネスモデルです。ただし、思いつくのは簡単でも、実現させるには高いハードルがあります。特に、配送ドライバーに、初めて利用してもらう時には苦労されたことでしょう。荷主と直取引していることが元受け企業にバレると、それ以降の仕事がなくなるリスクが高いからです。
マッチングサービスは、従来の商流においてバランスしている力関係を、うまく変化させられると成功するように思います。

未来コンパスが指すミライ

ところで、この様なマッチングサービスは、「弁護士ドットコム」に代表されるように、法律業界にも存在はするのですが、広く普及しているとは言い難い状況です。
と言うのも、弁護士への有料案件紹介サービスは、基本的に違法であり(弁護士法72条)、社労士も同様です(社労士法23条の2)。弁理士に関しては、紹介/斡旋を直接的に禁止している法律はありませんが、無資格者が弁理士報酬を受け取るスキームでの紹介は、違法になり得ます(弁理士法75条)。
弁護士ドットコムの収益は、投稿の閲覧サービスに対するユーザー課金や、弁護士プロフィール作成のコンサル料等によるもので、正面からマッチングサービスをうたっている訳ではありません。
法律業界では、法律の壁により、シンプルにユーザーと弁護士等をつなぐサービスは認められていません。少し捻ったマッチングサービスで商流に変化を起こす必要がありそうです。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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