このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第116回 「AQUAMOAF」
1尾149円のサンマを安いと感じ、思わず買ってしまいました。でも、昔は70~90円くらいだったような。。。。サイズももっと大ぶりだった気がします。
地球温暖化によって稚魚が育たなかったり、外国船の乱獲で漁獲量が減ったりしているのでしょうか。私たちの食卓から魚がなくなるミライは想像したくありません。
そんな減少する水産資源を、養殖によって守ろうとしている企業がありました。
商標登録第6416861号(権利者:アクアマオフ・アクアカルチャー・テクノロジーズ・リミテッド)
【商標】
【指定商品/役務】水産動植物の養殖、食用魚介類 など
米国特許第US9021987B1号(権利者:同上)
【発明の名称】VERTICALLY INTEGRATED AQUACULTURE SYSTEM
【要約(一部抜粋、抄訳)】高品質の消費者向け水産物を大幅に削減したコストで生産するための垂直統合養殖システム。
AquaMaof社は閉鎖循環式陸上養殖システム(RAS)の世界的リーダーです。
RASとは、汚水を海に排水せずに浄化して循環させることで内陸部での実施を可能とした養殖方法です。水族館と同じような仕組みと言えば分かりやすいでしょうか。病原体侵入の恐れが少なく、温度調整により生育速度が速いというメリットがあるため、質の揃った魚を安定的、かつ、早期に供給することができます。
一方で、工事費用や排水のろ過にコストがかかる点が一般的なRASのネックです。
その課題を解決して安価なRASシステムの供給に挑戦するのがAquaMaofです。
未来コンパスが指すミライ
AquaMaofが養殖するのはサーモンやブリといった安価な魚です。一般に、養殖魚はコストをペイするために高級魚であることを考えれば(国内流通の大半はヒラメ、トラフグ、クルマエビやアワビ)、AquaMaofのRPSは大幅にコストを抑えられていると予測できます。
2021年4月、静岡県小山町に日本最大級のサーモン養殖施設の着工がされ、2023年6月に竣工の予定です。来年にもAquaMaofテクノロジーの恩恵を受けたサーモンが我々の食卓に並ぶかもしれません。
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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