Googleが1万2000人削減するそうです。
Twitterはついに1300人になりましたね。
こんなに抜けたら「絶対に回らない」って言われてましたけど、普通にTwitter使えてますね(笑)
結果的に見るとダブついていたんでしょう。
必要ないと思ったらズバッと切りますよね。Googleなんて儲かってる会社なのに。
Googleはコロナの「引きこもり需要」に合わせた採用なので。稼ぎ時が終わったという判断でしょう。
Twitterの場合は緩い体質の引き締めでしょうか。
経営改革でしょうね。もともと赤字体質ですから。イーロンマスクの経営者としての決断力はすごいです。
マスクさんは株価が下がって個人資産が半分になったそうです。
それでもやり切るところが凄いですよ。Googleも今はいろいろ多角化してるじゃないですか。
よく分からない事業もいっぱいありますよね。
ほんと、いろいろな会社を買ってくるんですけど、うまくいかない事業もたくさん持ってるそうです。
でしょうね。あんなに色々買収してたら。
撤退ラインもちゃんとあって、「本業が悪くなると人を切る」っていうのは、アメリカの経営の中では普通になってます。
すごい世界ですね。
本来の資本主義においては働く人もバッファなので。調整弁としてこうなってくのかなと思います。
その分、採用する時はいい条件で採用できるし。稼げるときに稼ぐっていう。すごく健全な気もするんですけど。
そうですね。結果的に給料も高いし、勤務してる人にとってAlphabetはすごく働きやすい会社だと思います。
日本もこうならないですかね。必要なときにがんと採って、必要じゃなくなったらバッサリ切って。でないと最先端の分野では勝ち残っていけないですよ。
日本の労働法はそこを許容してないですから。不採算の部門があったら、別の部門で吸収できないか模索しなくちゃいけない。
必要ない人をどんどん抱えていくことになりますよね。
総合職で雇っちゃってるので。業種を限定してないんですよ。逆にいうと会社の都合のいいように労働契約自体ができてます。
会社にとっても都合がいいんですね。
辞令ひとつでどこでも行かせられるので。その代わりに部門がなくなったら「どこかに吸収するよ」という契約ですね。それが日本のスタンダード。
雇われる側もそれに慣れちゃってますよね。雇ったら責任を持って最後まで面倒を見るべきだって。
そういう気持ちが強いでしょうね。
だから給料が増えないんですけど。この先も同じようなスタイルでいくんでしょうか。
基本はこのスタイルで行くんじゃないですか。
それで数十年も停滞しちゃったわけですけど。
簡単には変えられないと思います。
日本に見切りをつけて国外に移住する人も増えてますよ。犯罪も目立つようになってきたし。
やっぱり余裕がないと社会ってこうなるんだなって思いますね。
労働者が甘えすぎなんでしょうか?
経済システム自体が日本は甘くて。経営者にもかなり問題があります。
どこが問題なんですか。
雇用を守るという名目で会社を潰さないようにしちゃう。資金を注入したり、変な助成金を付けたり。生き残れてしまうんですよ。
なるほど。
税制もそうです。小さい会社の方が税金が少なくて済む。そういうのが甘えの構造になってます。
アメリカにはそういう制度がないんですか。
全くないですね。小さかったらもう生き残れない。
のんびりやってられない訳ですね。日本もそうした方がいいんでしょうか。
社会システムの思想がぜんぜん違うので。そこを変えないで制度だけを変えることはできないです。
アメリカには年金や社会保障制度がないですもんね。
すべて自己責任ですね。自分で解決しなさいって。
「そっちの方がいい」って人は、どんどん海外に移っていきますよ。
そうなんです。政府への依存度をもっと減らさないと。
能力が高い人ほど損をする仕組みですよね。
経営トップも悪いと思います。儲からない責任を従業員に押し付ける人が多いので。
儲からないのは経営者の責任だと。
儲かる仕組みを考えるのは経営者の仕事ですね。もちろん社員の頑張りも必要ですけど。仕組みがあるのが大前提です。
仕組みもないのに社員のせいにしている経営者は、「今すぐやめさない」ってことですね。
言いづらいけど、そうなんですよ。
デービット・アトキンソンさんが「中小企業は150万社でいい」って言ってますよね。450万社は多すぎだって。
数もそうですけど、淘汰されるべき会社が生き残ってしまってます。
いい中小企業もいっぱいあるんですけど。
私もそう思います。
やっぱりスケールかスモールか、どちらかに振り切るしかないですよ。合併してどんどん大きくしていくか、あえて大きくしないで付加価値を生み出すか。
本当どっちかしかないと思います。中途半端が一番まずい。
いずれにしても、ひとり当たりの生産性を高めないと。もう生き残っていけないですよね。
社員も幸せにならないし。特別化するか規模拡大するか。どちらかに決めないと。
450万社という中小企業の数は多すぎますか。
多すぎるんじゃないですか。特別化されて生産性の高い中小企業だったらいいですけど。
450万社の特別化はさすがに難しいですね。
ちょっと現実味がないです。おそらく大半はスケール化していくんじゃないですか。
どんどん吸収されていって。
よくてM&Aか、もしくは単にマーケットを奪われての廃業か。
特別化に成功する中小企業はどれくらい出てくると思いますか?
頑張って3分の1ぐらいじゃないですか。
じゃあアトキンソンさんの150万社という主張は間違っていない。
うまく行って150万社じゃないですか。とにかく独自の付加価値を追求するしかないですよ。私もずっと言い続けてるんですけど。
そちらに舵を切ってる中小企業って3%にも満たない気がします。
公的資金で延命できちゃうから決断しないんです。いずれその余裕が日本の命取りになりますよ。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。