第133回 天職は見つけるものではなく「育てるもの」

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第133回 天職は見つけるものではなく「育てるもの」

安田

「天職ってどうやったら見つかるんだろう」という話ってよく聞くんですが、そもそも天職なんてあるんだろうか、というところに疑問を持ってまして。


藤原

深いテーマですよね。昔「自分探しの旅」っていう言葉が流行りましたけど、例えばインドに行ったからといって天職が見つかるとは私は思っていなくて。

安田

そうですよね。藤原さんも最近よく離島に行かれてますけど、あれは別に天職を見つけるためじゃない(笑)。


藤原

違いますね(笑)。天職というのは、この仕事は自分に向いてるなとか、心から楽しいなと思えることだと思うんです。それって目の前のことに向き合うプロセスの中で、しっくりくるポイントがやがて見つかっていくものなんじゃないかなと。

安田

なるほど。つまり、見つけるというより、だんだん育っていくものだと。


藤原

ええ。自分が得意なことで誰かの役に立つことを考えて試行錯誤する。それが育てるということだと思います。

安田

とはいえ現代社会には無数の仕事があるわけで、すべての仕事を経験しようと思っても、その間に人生が終わってしまう。そうなると、どこかで絞らざるを得ないと思うんです。実際、向き不向きもありますし。


藤原

そうですね。そもそも天職=お金をもらえる仕事とは限らないですし。

安田

ああ、そうですよね。そう考えると、そもそも天職って「職業」のことなのかどうかもわからなくなりますね(笑)。


藤原

笑。ともあれ太古の昔から人間は何らかの形で働いてきた。資本主義だろうがなかろうが、職業というものはあったんです。そういう意味では、天職にも「職」の側面は必ずあるんだろうなと。

安田

なるほどなぁ。でも「職業」である以上、誰かの役に立つということが前提にあるわけですよね。逆に言えばもしそれでお金が稼げていないなら、「それは趣味だ」というのが大人の見解だと思うんですよ。


藤原

確かにそうなんですが、意外とその境目はグラデーションな気がしますよ。特に最近は、人から見れば趣味や遊びのようなものが、突然大きなお金を生んだりすることもありますし。

安田

ああ〜確かに。YouTuberとかそうですもんね。推し活なんかも流行っているし。


藤原

そうそう。マネタイズの手段は格段に増えましたよね。

安田

とはいえそういった人たちも、誰かを楽しませたり夢中にさせたり、という意味で役に立っている。何が言いたいかというと、「周りの人達にとって自分はどういう人なのか。どういうポジションなら役に立てるのか」と考えるのが重要だろうなということで。


藤原

同感です。どんな仕事にしろ、それは他人との関係性の中で生まれてくるものなので。

安田

そうそう。で、考えるのは「自分から見た自分」ではなく「他人から見た自分」じゃないといけないんですよ。だからどれだけ一人で旅に出ても見つからないんです(笑)。


藤原

そうですね(笑)。一人旅でも、そういうアンテナさえ立っていれば気づきを得ることはできると思いますけど、やっぱり基本は「お金を払ってでもお願いしたい」と思ってもらえることを自分が提供できるかどうかですよね。

安田

ええ。ついつい「稼げるかどうか」で考えがちですけど、そうじゃない。あくまで「役に立てるか」をベースに考える必要がある。その結果すごい大金を稼げることもあるでしょうけど、順番は絶対そっちなわけで。大谷翔平さんだって何百億と稼いでいますけど、お金には無頓着に見えますよね。

藤原

もし野球がマイナースポーツで全然稼げなくても、同じように頑張ったでしょうからね。たまたま儲かるフィールドにいただけで、儲かるから野球を選んだわけじゃないという気がします。

安田

そうですよね。「二刀流をやったらCMに出られる」とか、考えたわけじゃない(笑)。

藤原

それはないでしょうね(笑)。ただ、スポーツ選手もそうなんですけど、「誰かの役に立つ」は後付けだとも言えると思うんですよ。純粋に好きで楽しくて仕方がなくて、結果大成功した人が後付けで成功論を語ってしまうから、なんとなくそういうものだと思っちゃいますけど。

安田

ああ、そうかもしれませんね。そう考えると、「これで食っていくんだ!」と稼ぐことが目標の人ほど、うまくいかない気もします。

藤原

「短期で稼げるもの」から選ぼうとするとよくないですよね。長期で考えるほど、目の前の人の役に立つことに行き着く。結局それが天職のようなものにつながるんじゃないかなと思います。

安田

ははぁ、なるほど。目先の損得より、「何かの役に立てる能力って何だろう」と考え続けることが大事だと。

藤原

ええ。結局そこに行き着くんだと思いますよ。ちなみに安田さんご自身の天職は何だと思いますか?

安田

私個人の天職は、「人の得意なことや喜ばれていることをマネタイズにつなげること」だと思っていまして。すごく役に立っているのにうまく稼げていない人を、稼げるようにする。そこの溝を埋めたいんです。

藤原

そこは本当にニーズがありますよね。そういうことが苦手な人はたくさんいますから。ぜひ一緒にやりましょう。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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