その196「戦略的に『もったいぶる』とは?」

このコンテンツについて

なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「戦略的に『もったいぶる』とは?」

先日、コンサルの方のセミナーを視聴していて、「当たり前のことを、随分ともったいぶって伝えているんだなぁ」と感じました。
もちろん、「知っている」のと「やっている」のは大違いです。
なので、「はいはい、そんなの知っているよ」とか、「何当たり前のことを言ってるの!?」と揶揄しているわけではありません。

もったいぶることで、当たり前のことが、ありがたい情報になるような演出がなされているんだな、と感心したわけです。

例えば、「中小企業は何か新しいことをやっていかないと生き残れない」というアドバイスがあったとしましょう。
随分ふんわりしたアドバイスですけど(苦笑)
考えてみたら当たり前ですよね。
企業であれば、大なり小なり新しいチャレンジを繰り返して、試行錯誤して、生き残ることができたり、成長できたりするわけですから。

「そんなの当たり前じゃん」と感じさせては、セミナーの満足度に関わりますから、肉付けは必要なわけです。
たくさんのデータをもとに、「こういう時代になっていくから・・・」と前置きがあるわけです。
割合としては、その前置きが9割って感じなので、「随分ともったいぶるなぁ」という印象だったわけです。

でも、ここまでもったいぶって、「貴重な情報」の演出でもしないかぎり、当たり前のことって、当たり前過ぎるがために軽視されがちなんだろうな、とも感じました。
知っているけど、やっていないのなら意味はありませんからね。
貴重な情報だと感じたらば、「やってみようかな」「やらないとヤバい」という気持ちになるかもしれませんから。
そういう意味では、非常に親切なセミナーとも言えます。

考えてみたら、あらゆるものって「もったいぶる」演出がなされていますよね。
例えば、スマホなんかのパッケージ(箱)なんて梱包だけ考えたらもっと簡素なものでいいはずですが、随分ともったいぶったデザインのものもあるわけです。コラボ物や限定物だったりすると、スマホの箱とは思えないくらい巨大な箱に入っていたりします。
イベントの演出もそうだし、飲食店のコース料理など、身の回りには多くの戦略的「もったいぶる」がありますね。
なるほど・・・どうやら、この「もったいぶる」というのは、顧客満足度や価格にも影響しそうですね。

自社のサービスや承認に、戦略的「もったいぶる」を導入すると、売上が上がるかもしれませんよ!
まぁ、こんな風にもっともらしく言っておきながら、僕は待つの嫌いなので、さっさと答えを聞きたいタイプなんですけどね。

 

著者の他の記事を見る

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

感想・著者への質問はこちらから