「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第108回 アンパンマンに勝てる美容師になる?

美容師さんって傍目にはすごく忙しそうだけど、すごく儲かっているかというとそうでもない。そのあたりの話は、これまでの岩上さんとの対談でも何度かありましたよね。

これは美容師さんに限らないですが、社会の多くの人は「生活のために仕方なく働いている」ような気がしていて…。理想を言えば、もっと生きがいを持って楽しく働けた方がいいと思うんですけど、その辺りはいかがでしょう?

例えば「自分はパーマに特化してます」「今だったらこれくらい安い値段でやれます」「朝早くから夜遅くまで対応できます」っていう条件。そういう強み…いわば人参を目の前にぶら下げて人を「集める」働き方をしていると、最終的にどこかで詰んじゃうんじゃないかなと思うんです。

お客さん側がその人参に興味関心がなくなれば、スパッと切られちゃうからです。一方で人気のある美容師さんというのは、わかりやすい人参は意外とぶら下げてなかったりする。でもなんでかお客さんが集まってくるんですよ。

そうそう(笑)。ただね、そこにはやっぱり先ほど言ったような、「ここに来ると自分がどんどん魅力的になるな」という感覚が必要なんです。そういう意味では、「稼げる美容師」というのは、「たくさんの人をより魅力的にしている美容師」なんでしょう。

そうか…。でもそう言われると至極当然のことですね。岩上さんがしっかり稼げているのは、それだけたくさんのお客さんを魅力的にしてきたからですもんね。そしてそれを見た他の方が「私も岩上さんにカットして欲しい」と自然と集まってくる。

ね(笑)。でもある時、ウチのサロンでカメラマンとコラボして「家族写真を撮る」ってイベントがあって。それで僕が髪の毛をセットしてあげたのを機に、人が変わったかのように僕に懐いてくれまして(笑)。

笑。その子が今、3歳になるんですが、先日『アンパンマンミュージアム』に行ったんですって。そしたらアンパンマンが髪を切ってくれるブースがあったそうで、親御さんが「せっかくだからアンパンマンに切ってもらおう!」って言ってみた、と。

そうなんですよ。ところがその子は「僕はアンパンマンじゃなくて、タクミさんに切ってもらいたい!」って(笑)。

そうなりますね(笑)。これってまさに理屈じゃないんだなと思ったんです。技術とか効率がどうこうって話ではなくて、もっと感覚的なもの。そこをしっかり考えられるようになれば、人が集まってくる美容室は作れる気がしますね。
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















