大手ビジネスマン39歳の
小さなビジネス開業スクール 体験記 ~4日目「自分の役割を定める『私は何屋さんなのか?』」~


前回(体験記3日目)、自分の好き嫌い・得意と不得意を把握して、好きと得意を一致させるためのベースをつくった。これを元にして、今回のテーマ『自分の役割を定める「私は何屋さんなのか?」』にて自分だけの役割を特定する。


自分の役割とはなにか。

会社にいると、〇〇屋さんと呼ばれることがある。たとえば、光学屋さん、メカ屋さん、ソフト屋さんなど、その人の持つスキルをひと括りにした表現だ。でも今回BFSで考えるのは、このような、なにかをひと括りにしたものではなく、自分だけの「〇〇屋さん」。つまり、「自分だけの役割」だ。しかし、これを考えるのは思ったよりも難しい。今回はそんな難しさを記した体験談である。

「何屋さん」かを決める

BFS4日目のテーマは、〈自分の役割を定める「私は何屋さんなのか?」〉。事前に宿題として、①自分は何屋さんか、②それが誰のどんなことに役立つのか、を考えてくる。当日は、まずそれを皆で共有し、他の受講生の意見を聞いた後、安田さんの意見を聞く。安田さんから見た、その人の最大の特徴や売りはなにか。それらと世の中が求めているものもの(特に経営者が求めているもの)の関係を踏まえながら、自分は何屋さんなのかを調整していく。

そう言えば、3日目の終わりに宿題を出す際、安田さんが言っていたことが印象的だった。安田さんの好きな〇〇屋さん、それは『ライ麦畑でつかまえて』に出てきた「子供が崖から落ちそうになったのを助ける屋さん」だそう。お金が稼げるかどうかではなく、自分がやりたくて、かつ人の役に立つこと。そこに自分だけの役割がある。

自分の役割

以上を踏まえ、僕の役割は以下のようにしてみた。
「わたしは『フタ取り屋さん』です。それは『現状を変えたい』人の、『気づきを得る』のお役に立つ仕事です」

なかなか悪くない。今までの自分の行動を振り返ってみても、僕は普通のことを普通にやることが苦手であり、普通からちょっとはみ出したことが好きだ。たとえば、ちょっと変わったブログを書くこともそうだ。僕のブログの内容を見た誰かの行動に変化が起きているかな、なんて考えている。
でも安田さんの考えは違った。

安田の視点

安田さんの意見は以下の通り。
「大谷さんは、正攻法が好きじゃなさそう。フタ取り屋さんは正攻法だし、おとなしすぎる」
「何でもヒネらずにはいられなさそう。わかりにくいことをわかりやすくしているとも言えるし、逆にわかりやすいものをわかりにくくしているとも言える」
「私の言葉をわかりやすく解説してくれるのはありがたいと思うけど、一方でおいしいとこ取りをしているとも言える。そんなズルさもある」

まさにその通りだ。図星過ぎて、言葉が出ない。後で録画の動画を見直してみると「そうですね……」と言ったまま固まっていた。安田さんの言う通り、僕はまさに以下の3つの特徴がある。

・正攻法や王道は選びたくない
・自分なりのヒネりを加えずにいられない
・珍しいものをパクってアレンジして自分のものにするズルさがある

良い人に思われようとして、「フタ取り屋さん」なんてきれいな表現にしすぎていたのだ。上記の3つの特徴は僕の一部だ。その特徴も考慮して、自分だけの〇〇屋さんを決めていく必要がある。僕はもっと自分勝手な人間なのだ。

〇〇屋さんを考える

自分は何屋さんなのか。この問いを考えるにあたって、まずはお金を取り除いて考えてみる。一口に仕事と言っても、主要な仕事以外に何に時間を使っているのか。お金をもらわない場面で、自分は誰のどんな役に立っているか。どんなことで人を喜ばせ、影響を与えているのか。何にこだわってしまうのか。最初にこれらの点を考えていく必要がある。

ただ、それだけでは足りない。

深掘りしなければ、自分だけの「〇〇屋さん」にたどり着けない。たどり着くためには、自分に向き合わなければいけない。自分の中にある、一般的には良くないと言われるようなことにも向き合う。きれいに見せようとせず、良い悪いのフィルターを外して考える。そんな内省的な行為が必要だ。

でも、自分自身でやるのは難しい。自分のことは自分ではよくわからないし、ついついよく見せようとしてしまう。だから、他者の視点が必要だ。特に「良い/悪い」のフィルターを外して意見をしてくれる安田さんのような人に聞いてみることは有効だろう。

まとめ

自分は何屋さんなのか。その問いに答えるのは思ったよりも難しい。すぐに答えは出せないかもしれない。しっくりくる表現はそう簡単に見つからないし、言葉選びのセンスもいる。内面をより深く観察していく必要もある。

大事なのは、一旦決めてみることだろう。難しいけど、ひとまず決めてみる。しっくりとくればそれでいいし、しっくりこなければ、徐々に調整していけばいい。

ちなみに、僕の最終的な答えは「こねくり回し屋さん」。「普通」をヒネるために、こねくり回す。脇道を見つけるために成功法をこねくり回す。珍しいものを自分流にアレンジするために、こねくり回す。こねくり回し屋さんとして、これからも物事をこねったブログを書いていきたい。

ー 書いた人 ー
大谷 信(おおたに まこと)
大手企業でエンジニアとして勤務しながら、自分らしい働き方・生き方を模索中。ブログも連載しています。

HP https://otani-makoto.net/
Twitter https://twitter.com/OtaniMkt

4件のコメントがあります

  1. 面白いですね!
    自分が何屋さんか。本当に難しいですよね。
    ふた取り屋さんもなかなかセンスあるなーと思いましたよ!
    大谷さんが固まってる姿が目に浮かびました笑
    いよいよ開業式ですねー。
    覗きに伺うと思います^_^

  2. こねくり回し屋さん、面白い職業ですね。
    ペット視点で「主人の運動不足を解消してあげる屋さん」はこねってますね。笑いました。

  3. おおつかさん
    コメントありがとうございます!
    固まりました。
    でもそれがあったから自分に素直になれました。

  4. しんじさん
    コメントありがとうございます!
    こねくり回すことに喜びを感じています。

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