人間交換日記 23通目「性格ではなく技術?」安田

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


23通目/安田からの返信
「性格ではなく技術?」

確かニーチェか誰かが言ってました。「事実などない。そこには解釈があるだけだ」って。どんな出来事でも自分に都合がいいように解釈できる人を「プラス思考」と呼ぶのかもしれません。そしてこれは訓練によって可能ということでしょうか。朝起きたら大雨だった。テーブルに足をぶつけた。当たりの宝くじをなくした。というような一見ネガティブな出来事があったときに「おお!なんて私はラッキーなんだろう」と満面の笑みを浮かべてみる。そして間髪入れず「だってホニャララだもの」とラッキーな理由をひねり出す。これができたら人生最強ですね。必要なのはポジティブな性格ではなく、ポジティブな理由をひねり出す技術ということでしょうか。

前回22通目/大野「心が元気になるのもならないのもコレ次第」

安田さんへ

仰る通り、答えではなく、問いが大切です。それは朝から始まります。「もう起きる時間か?」「後10分寝られるか?」…。これを例えば「なぜ、私に今日という日が与えられたのだろう?」「今日一日何を大切にすれば清々しいだろう?」という問いに変えてみる時、どんな違いが生まれるでしょうか?

 次に第二のステップとして、大切になってくるのは事実と解釈を区別する事です。

『新幹線は速い。孫正義は天才だ。ジェフ・ベゾスはお金持ちだ。組織のモチベーションは低下している。上司のコミュニケーション能力は無いに等しい。』ランダムに挙げましたが、これらの記述はすべて解釈です。この区別がつきだすと無駄に心を浪費しません。

ー大野より

 

前々回21通目/安田「正しい答えを教えてくれるもの」

大野さんへ
問いを変える。なるほど、これは面白いですね。必ず金持ちになれる「答え」はないけれど、必ず金持ちになれる「問い」はある。それは間違っていないかもしれません。「どうやったら金持ちになれるのか?」と答えを聞くのではなく、「なぜ私はいま金持ちではないのか」と自分自身に問う。これは非常に重要なことですね。すべての答えは自分の中にある。これは私が人生の中で行き着いた究極の結論でもあります。「なぜ私は仕事ができないのか」「なぜ私は女性にモテないのか」「なぜ私は幸せではないのか」自分に正しい問いを投げかければ、必ず正しい答えが返ってくる。それが人間というものですよね。

ー安田佳生より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
http://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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