その5「男はつらいよ」

個人のSNSというやつは
日々大雨のように大量につぶやかれては
流れて消え去っていく濁流のようなものなのでしょうが、
この前目にしたあるスポーツ選手のツイートが
頭に残っています。
その人は二十歳そこそこの格闘技の選手だったのですが、
自分の試合を組もうとした興行主と条件が合わずに試合が不成立になり、
そのことに興行主側が激怒し、かなり感情的に非難してきたことに対する反応でした。

「事実と異なることが伝わってしまい悲しいし悔しいです」

別にめずらしくない表現だとは思いますが、
まず「悲しい」と素直に表明できるところに
自分のようなおっちゃんは違和感のようなうらやましいような
感情をおぼえるのです。

あんさん、試合じゃ相手殴ったり蹴ったり血だるまにしたりしてるのになあ…、という。
(もちろんそちらは競技で仕事なのは百も承知ですが。)

世の中は若い人が作っていくものなので、
今の人のやることにはついていくつもりなのですが、
感情を率直に出しながら自己を説明していく姿勢を見て、
男性が自分でそんなことを口にするのは
泣き言とまでいうつもりは毛頭ございませんが
なんつうか野暮に属することではないかという、
ジェンダーとか、ナウな基準抜きで
ただ恥ずかしさが先に立ってしまう、
おそらく昭和生まれの悲しき呪縛なのです。

しかしそこはやはり、
本当はわかってほしいのをわかってもらえないからと
未練たらしく背中に哀愁を漂わせるのではなく、
前を向いてハキハキと

「男はつらいよ!」

と伝えられるようにならなくては
現代最新の男らしさは発揮できないのではないかとも思うのです。
マジで。

著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

感想・著者への質問はこちらから