第100回「新しい使い方」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第100回  「新しい使い方」

自分のアンテナに引っかかる商品とそうでないものがあります。
面白いなと感じるのは、「新しい使い方」を提案している商品やビジネスモデルです。似たような商品がマーケットにある中で、新しい使い方を提案して新しい顧客を作りだす商品やビジネスモデルに惹かれます。


米国出願第97283425号(権利者:Wiliot Ltd.)
【商標】
IOT PIXEL
【指定商品/役務】(抄訳)
商品用電子タグ、IoT対応デバイスのデータ伝送用センサーと無線通信デバイスで構成されるラベル  など


イスラエルのスタートアップWiliot社が開発したのは、電池レスで常に起動しているIoT Pixelと呼ばれるセンサータグです。
ラベル状で薄いIoT Pixelは、WiFiなどの周囲の電波の電力を利用することでバッテリー無しで常時起動します。しかも、ブルートゥースを活用しているのでスマホとの相性が良く、専用端末が無くとも、貼り付けた製品の位置や温度、動き、重量変化などの情報を検知することが可能です。

実は、従来もICタグを使って商品情報を非接触で読み取るRFIDと呼ばれる技術はあります。例えば、ダンボールに梱包された複数の商品タグを箱の外から一括で読み取ることができるため、バーコードを使った棚卸よりも時間が短縮され、また、商品を傷つけないといったメリットがあります。ユニクロも全店で導入しています。

IoT Pixel が特徴的なのは、ブルートゥースが備わっているため、店舗内の効率化はもちろんのこと、それを飛び越えて消費者側へのアプローチを可能にする点です。
たとえば、タグ付きのアパレルを顧客が手に取ったときに、スマホ端末にコーディネート案やクーポンをブルートゥース経由で配信することができます。
さらには、消費者が購入後に活用することも想定されています。具体的には、「どの洋服をどのタンスにしまったのか」を管理したり、「今シーズンに何度着たのか」をデータ化したりということです。これは、ユーザーにとっては全く新しい体験が生まれる可能性があるということです。

未来コンパスが指すミライ

IoT Pixelは現時点でRFIDの10倍ほどの価格と予想され、普及には価格がネックになり得ます。一方で、タグを無償で配布して、アプリやクラウドサービスの利用料をとる案も検討されているようです。店舗が費用を負担するのだと思われますが、アーリーアダプターの中にはお金を払っても試したいという消費者がいるかもしれません。
そう考えると、我々がIoT Pixelを市場で当たり前のように目にするのはそう先ではないかもしれません。
商品タグを「自分のために」「自分の家で」使うという新しい体験を早くしてみたいです。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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