第103回「SHIP4WD」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第103回  「SHIP4WD」

B to Cのウェブサイトは日々ユーザーフレンドリーになっています。自身が使っているE-comサイトを思い浮かべると分かりますが、使いづらさを感じるとすぐにユーザーは離れていってしまうからです。
一方で、B to Bのウェブやシステムはアップデートが遅れていると感じます。
物流業界でこの点に着目したのが、SHIP4WD。読み方は「シップフォワード」です。


国際登録第1643439号(権利者:MARINE SHIPP FAST LTD)
【商標】

【指定商品/役務】(抄訳)
エンドツーエンドの貨物・海上貨物及び航空貨物の発送及び輸送の予約用ソフトウェアを特徴とするオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SAAS)、関税に関する手続きの代行 など


SHIP4WDは、物流のAmazonを目指すイスラエルの会社です。
輸出入貨物の出発から到着まで1つのサイト上で管理できるワンストップの輸送プラットフォームを提供しています。

オセアニア地区製品マネージャーのYuval Kravitz氏に話を聞きました。「Amazonでは、欲しい商品を1クリックして完了。これだけ。工場から出荷されたか、港で荷受けされたかなどを心配する人はいない。SHIP4WDが目指すのはそこです。」とのこと。
B to Bビジネスにおいて海外輸送を行う場合、通常、乙仲/通関業者、フォワーダー(国際輸送業者)、倉庫業者、国内配送業者とそれぞれやり取りする必要があります。1つの会社がフォワーダーや倉庫業、通関サービスを一括で提供する場合でも、業務ごとに違う担当者にコンタクトすることが一般的です。
SHIP4WDは、これをWEBプラットフォームという1つの窓口で完結させています。

WEBプラットフォームを立ち上げて「輸出/輸入」をクリックしたら「コンテナ/コンテナ未満/航空貨物」が表示され、「目的地」を決定すると「出発日」画面が出てきて・・・と言った具合に、必要項目が順次でてくるので素人の私でも迷わずに貨物の予約が可能です。
発送後は、リアルタイムで貨物の追跡が可能なのも嬉しいポイント。貨物会社につど納期確認をする手間が省けます。遅延が発生している時の納期確認ほど、無駄でストレスのたまる仕事はないですからね。

未来コンパスが指すミライ

残念な点もあります。
まず、地域が限られていること。
SHIP4WDは、中国・台湾・ベトナム・イスラエル・タイとの輸出入を行う米国およびカナダの国際企業を顧客ターゲットにしており、日本はまだサービスの対象外です。
2つめは、通関や荷揚げの手配をユーザーがしなければならない目的地もあるということです。SHIP4WDは2021年10月にスタートしたばかりのサービスなので、今後の改善に期待です。

簡単でユーザーフレンドリーなデジタルサービスのニーズは、国や業界を問わず高まっています。SHIP4WDが日本をカバーする頃には、スマホやタブレットでも操作が完結するほど簡単なB to Bシステムが普及しているミライになってほしいものです。

 

著者の他の記事を見る


 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

面白いビジネスを見つけたら是非シェアしてください。フォロー・友達申請大歓迎です!
Twitter
https://twitter.com/takashi_yaeda
Facebook
https://www.facebook.com/takashi.yaeda

 

感想・著者への質問はこちらから