第117回「Viridix」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第117回  「Viridix」

日本に四季は無くなったのかと年々感じます。今年もつい先日まで夏のような暑さだったのに、急に冬の寒さになりましたね。気候が変われば人々の生活様式も変わるでしょうし、ビジネスにも影響がでます。直接的な影響を受けるのは農作物でしょうか。先週の水産業に続き、農業を支えるスタートアップをご紹介します。


商標登録第6416800号(権利者:アイ・ドリッパー)
【商標】

【指定商品/役務】
精密灌漑用遠隔式土壌センサー、自律型灌漑用電子制御装置、土壌・植物のデータを用いた灌漑制御用コンピュータソフトウェア など


Viridix社は2016年にイスラエルで創業した農業系スタートアップです。
イスラエルは、1年の半分が乾季であり、国土の多くは乾燥地帯です。にもかかわらず、多くの食料を自給し、かつ、国内消費とほぼ同量の農作物を輸出しています。“砂漠の農業立国“とも呼ばれている、隠れた農業大国です。

農業に不向きな過酷な環境での生産を可能にしているのが、水に関するテクノロジー。Viridix社の技術もその一つです。
彼らは、土壌中の水分量を測定するセンサーと灌漑装置を提供しています。センサーは、常時、複数の深度で土壌水分を測定し、水不足や過多に関するアラートを発します。センサーと接続したスマホ画面上には、水分量、天候、温度、土壌の状態などのデータおよび分析結果が表示され、ユーザーはその情報に基づき水やり・灌漑を行うことが出来ます。提携会社が作っている灌漑装置も備えれば、スマホのボタンで自動給水も可能となっているようです。

未来コンパスが指すミライ

作物の水分量は、生育だけでなく糖度や瑞々しさに直接影響します。これまでも農作物の品質と水分等に関する研究はなされていましたが、データ取得や品種改良には多くの資金、人材などのリソースが必要でした。
Viridixによって、普通の農家が一定レベルの土壌データを手軽に取得・活用できるようになると、農作物の研究のすそ野が広がり、我々消費者が美味しい食材に触れる機会も増えるように思います。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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