その114「トラッシュトークを磨け!」

このコンテンツについて

なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「トラッシュトークを磨け!」

先日、堀口恭司選手が負けました。

誰やそれ?って方も多いかと思います。
というか、ほとんどの方がご存じないかもしれませんね・・・すいません。

彼は日本人最高峰の格闘家で、アメリカを拠点に世界で活躍している選手です。
世界最大の格闘プロモーションUFCで当時世界最強と言われたチャンピオンとのタイトル戦を経験し、UFCに次ぐ規模の団体でチャンピオンになり、日本最大の団体RIZINでもチャンピオンになった、まさに偉人。
その堀口選手、総合格闘技のトーナメントに出場し、判定負けしてしまいました(涙)
世界中からその首を狙われるような存在ですから、かなり研究されていたようで、強みを発揮できませんでした。

いちファンとして、僕も彼の敗戦に大きなショックを受けましたし、わずかですが「がっかりした」という感情も芽生えたんですよね。
この勝敗が僕の生活に影響するわけじゃないですし、「がっかりした」って感情もなんだか変なんですけどね。
ファンって期待していますから、その期待に応えてくれないとがっかりしたり、人によっては怒ったりする生き物なんでしょう、きっと。
ファンに支えられている側面はあるかもしれませんが、一方で迷惑な話でもありますよね(苦笑)
だって、勝手に期待されて、勝手に失望されるわけですから。

堀口選手のように結果を出してきた人に対する期待は高くなるでしょうし、期待が高い分、そこに届かないときの失望も大きいわけです。
オリンピックなど国対国の図式になるような場合、ファンではなく、その選手のことを初めて知ったような人たちからも、勝手に期待されたうえに、文字通り「国を背負って」戦うことになりますよね。
もう、考えただけで、ゾッとしますね(汗)

では、期待されないということは、失望もされないってことなんでしょうかね?
適当な成果にとどめておけば、「あいつはあんなもんだ」という評価が基準になりますから、楽に生きられそうなものですが・・・
とは言え、誰からも期待されない人生って、それはそれで悲しいですよね(涙)

一方で、商談時やコンペの際、受注できるかどうかについて、お客様が抱く「期待」は非常に重要な要素ですよね。
やったことがないことでも、「はい、出来ます!」と答えて、受注してから考える・・・なんて経験ありませんか?
起業したての頃なんて、実績や経験は皆無ですし、知識や技術、設備、何もありません。
「できません」と言ったら、それで終わりです。
当時は根拠のない自信すらありませんでしたが、とにかく必死で「はい、出来ます!」と答えていたわけです。
まぁ、今考えると随分無責任でしたけども(汗)、とにかく仕事を得るためには、「期待」してもらわなければなりませんし、思いっきり背伸びする必要があったのです。

さて、格闘家は、試合前に対戦相手と舌戦を繰り広げることがあります。
相手を口汚く罵ったり、自分の方がいかに優れているかをアピールし合います。(今ではSNSを使って発信します)
これをトラッシュトークと呼んだりしますが、イベントを盛り上げるのに一役買っています。
トラッシュトークを巧みに活用し、プロモーターやファンに実力以上の期待を抱かせることもできます。
実際、うまく使っている選手は、格上の相手と試合が組まれるなど、大きなチャンスを手にすることもあります。
そして、そのチャンスをものにして一気に駆け上がる選手もいます。
アスリートとして世界最高の年収にまで上り詰めたコナー・マクレガーという格闘家もトラッシュトークがものすごく上手い選手でした。
もちろん実力も世界最大の団体UFCで史上初の2階級同時王者になるほどで、凄まじいものをもっているのですが(汗)
ところが、その一方で、背伸びしても、そこに実力が追いつかずに撃沈することだってあるわけです。

そんな風に考えると、今いるステージを上げるためにも、実力以上に見せるブランディングって大事かもしれませんね。
諸刃の剣かもしれませんが、こういう挑戦を意識的、定期的にしていかないと成長はできないのかもしれません。

いやぁ、今日も良いこと書いちゃったかもなぁ。
まぁ、こういうのって、言うのは簡単なんですよね。

 

著者の他の記事を見る

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

感想・著者への質問はこちらから