「社員は文句ばかり。誰も自分の気持ちをわかってくれない」〜お医者さんは、なやんでる。 第57回 〜

第57回 「社員は文句ばかり。誰も自分の気持ちをわかってくれない」

お医者さん
お医者さん
どうしてスタッフたちは私の気持ちをわかってくれないんだろう……。経営状態が悪いと言っているのに、何の改善案も提案してこない。
お医者さん
お医者さん
それどころか、給与が少ないとか休みが少ないとか……そんなことばかり言ってくる。
お医者さん
お医者さん
何が給与が少ない、だ。自分の生産性の低さを棚に上げて……。まったく、頭がどうにかなりそうだ。
相当ストレスがたまっているようですね。大丈夫ですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
大丈夫かどうかなんて、自分でもわからないよ。もっとも、仮に大丈夫じゃないとしても、どうしようもない。私は父から受け継いだこの病院をとにかく守っていくしか……って、あなたどなたです?
こんにちは、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
先生は二代目でしたね。先生が言うような悩みは、実は二代目三代目の先生の方からよく聞くんですよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん? 僕の悩みって、スタッフがなかなか僕の気持ちを理解してくれないという?
ええ。その結果として、先生が一人ですべてを抱え込んで苦しんでいる。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
一人で? ……確かにそうだな。社員のことで悩んでいるのに、社員に相談するわけにもいかない。
そこです。結局のところ、この問題の本質はそこにあるんです。先生が問題を「病院内で」解決しようとする限り、なかなか問題は進んでいかないと思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
何言ってるんだ、病院内の問題は病院内で解決するのが当たり前じゃないか。
いえ、そんなことはないのです。ただ、レッテル張りをするわけでは決してないのですが、自らがイチから創業した経験を持たない二代目三代目の方は、そう考えがちなんです。病院も、システムも、場合によっては従業員も最初から用意されていて、それを先代がどう作り上げたかは詳しく知らない。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む……まあ確かに、そういう面はあるかもしれないけど、そういう家に生まれたのだから仕方ないでしょ。
いえ、私はそれが良いとか悪いとか言いたいわけではないのです。そうではなく、事業というのは普通、「外部の力」をうまく活用して成り立っているということに気付いてほしいのです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
外部の力? 税理士とか社労士とかそういうこと?
そうですね。それも一つです。ただ、思考の範囲をもっともっと広げてみることをオススメします。今はどんなスペシャリストとも簡単に出会える時代です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ちょ、ちょっと待って。言っていることがよくわからなくなってきた。
たとえば先生の悩まれている「経営状態」を解決する方法を考えてみましょう。まず売上推移や貸借を確認する場合は、社内のデータで充分ですよね。税のことなら税理士に、給与などは社労士に聞けばいい。でも、それでできるのは「現状把握」までですよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、そうだね。
本来はそこから、どうやって経営を改善するかを考えるフェーズに入らなければならない。でも先生はここで立ち止まり、一人で悩まれてしまっている。
絹川
絹川
経営コンサルタントにアドバイスを貰うとか、プランナーやデザイナーとプロジェクトを立ち上げてWebサイトを作り変えるとか、あるいは自治体やNPOと手を組んで地域イベントを主催するとか、そういう具体的なことをしていかないと、状況は変わりません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……なるほど、コンサルタントもデザイナーも、「外部の力」ということか。
仰るとおりです。先生がその気になれば、世の中のどんなスペシャリストともすぐに繋がれます。一人きりで悩む必要なんてないんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
逆に言えば、「外」に目を向けない限り、病院の状況は良くならないってことか。
そう言い切ることはできませんが、今のままでは遅かれ早かれ先生自身が参ってしまうでしょうね。そうなれば経営どころではない。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに……。いつのまにか私は視界が「内向き」になっていたんだな。
世界は広いです。今や病院と言えど、どんどん個性を出して、独自のPRをするのが当たり前になってきています。ぜひ先生も「外部の力」をうまく活用して、先生にしかできない病院を作り上げてください!
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん、なるほど。あなたの言いたいこと、なんとなくわかったよ。
よかったです! 先生のこれからの動きに期待しています!
絹川
絹川

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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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