第11回 わび和さび -社長峠のことわざ

この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。

本日のことわざ
「諂上欺下」

タカコ

おっと!今回は難しい四字熟語!

ほひほひ

テンジョウギカ

タカコ

自分より上の人や力のある人には媚びへつらい、自分より下の人にはバカにした態度をとったり欺いたりするという意味。

ほひほひ

地球ではよくある事デス

タカコ

ホントそう思うꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)

ほひほひ

www

タカコ

事務員やってた時のワンマン社長の豹変ぶりが面白かったなあ。

ほひほひ

ほう

タカコ

高圧的で恐ろしいので、社長の車が入ってくると従業員同士ダースベーダーのテーマ曲を歌ったり親指の合図をしたりして、社長が事務所に入ってくるのを皆で周知し合い備えたという・・

ほひほひ

オモシロイな

タカコ

その位みんな怖がっている社長なのだけど、お偉いさんたちが来社すると豹変!笑顔&低姿勢で「先生!先生っ♡」ってさ。社長どうしちゃったの??という感じで面白かったなあ。

ほひほひ

カワイイな

タカコ

あ、あとこんな事もあった。自分が創業して間もない頃、正式に業務契約をすることが決まった会社に訪問した際、先方の会社の担当者がね、言うんだよ。

ほひほひ

ほう?

タカコ

「うちの会長は○○がお好きだ」「うちの社長は○○の出身なのでその話題を出すとお喜びになる」「くれぐれも失礼のないように」とか。

ほひほひ

なんじゃそりゃww

タカコ

「はい、はい」と答えていたけど、ちょっと待てなんかおかしいぞ?と思ったよww
こちらも会社の代表として契約に来ているのであって、会社対会社の取引なのにさ
なんか、この担当者の部下として取引先に訪問しに来た新入社員みたいだなと。もちろん先方の会長さん社長さん、とても丁寧な対応で迎えて下さったよ。

ほひほひ

その担当者だけが・・

タカコ

そう、その担当者だけなんか訳わかんない感じで。下請け会社=下僕なんだろうな~彼の中では。そうそう、この担当者もすごいんだよ、お客様と上司に対しての頭ペコペコっぷりが!その分、下請けには超高圧的!タダで仕事しろとか平気で言ってくるし。

ほひほひ

それはさすがに「できません」って言ったら?

タカコ

言ったよ!そうすると決まって「業者なんていくらでもいるんだ!」と言われる。この担当者だけではないよ、この手のこと言われたの。

ほひほひ

ほう

タカコ

逆らうと仕事がなくなってしまうので、仕方なく減額要請や無茶な依頼を請けている下請け業者さん多いよ。

ほひほひ

昔の日本人的

タカコ

昔の日本人といえばさ、こんなこともあったよ。

ほひほひ

どんな?

タカコ

元請けさんが「お金払えないけどこれもやって」と言ってきた。「それはできません」と答えると、元請けさんの元請けが横からごちゃごちゃ口を挟んできた。「うちはあくまで【元請けさん】と契約しているのであって、御社と契約している訳ではないので少し黙っていただけませんか」と元請けさんの元請けに言った。

ほひほひ

言ったら?

タカコ

元請けさんの元請け会社の人は、その場にふたり居たのだけど「てめえは金の流れというものをわかっていない」「てめえは誰に対して口をきいているんだかわかっていない」「てめえのような会社はあっという間につぶれる」って、ふたりとも「てめえてめえ」って、すごかったなあ~。

ほひほひ

ハハハ

タカコ

あれから10年・・つぶれてないです、うちの会社。というか毎年売上伸びてるよ。

ほひほひ

元請けさんの元請けは? 

タカコ

「てめえ」を連呼した方々。上の方にはその真逆なので業界では色々表彰とか受けているよ。実態は下請けに全部丸投げ、社員も数人の会社なのだけどね。古くからのコネとか業界の繋がりがあれば、社内に技術が無くても仕事が取れるわかりやすいピラミッドが存在するからね。でも、それももう・・

ほひほひ

それももう・・この先どうなるか?ってことか

タカコ

そう、もう通用しなくなると思う。

ほひほひ

アンタの業界だけではないからね。下請けからの脱却は、あらゆる業種にどんどんすすんでいる。町工場も大手に納品するだけでなく、自社製品を開発して販売を始めいるところがホント増えている。最後はやはり技術をもっているというのは強い。

タカコ

そうだよ!ほんとに。末端で作業しちゃうのはババ引くのと一緒って言われていたんだこの業界。ほんの十数年前まではね。人を雇って作業するのが一番コストもリスクも抱えるから、ピラミッドのどの位置に入るのかが重要だって言われた。でもうちの仕事は「技術が何より大切」だってこと、譲らなかった。大変だったけど。

ほひほひ

だから潰れなかった。

タカコ

何が商品なのか。それを見誤らないことが重要だと思う。特にこれからの時代は、すべてがもっと「本質的になっていく」から尚更!上にぶら下がっていれば、とりあえず食っていかれる時代は終わると思ってた。

ほひほひ

そだね

タカコ

もちろん、お仕事を頂いている事には感謝しているしとってもありがたいと思ってるよ。だからといって、媚びへつらうのは違うと思ってる。接待するお金があったら、その分、価格を下げてお客様に還元できるようにするとか、社員の育成や待遇にに使うべきだと思う。接待で応えるのではなく、技術で応えたい。

ほひほひ

それが、結局は双方にとって一番のメリット

タカコ

あとさ、やっぱり下請けを大切にする会社は優良な協力業者が集まっている。結果、会社としてどんどん成長しているんだよね。はいっ!ここで本日の結論。

ほひほひ

諂上欺下

タカコ

バカみたいな事が時代遅れになって、喜ばしい限りです。

 

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著者について

 

黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/

数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。

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