第25回 わび和さび -社長峠のことわざ

この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。

本日のことわざ
「後悔先に立たず」

タカコ

あのさー変なこと話してもいいか?

ほひほひ

なんだネ?

タカコ

20年くらい前のことなんだけどさ。

ほひほひ

ほう

タカコ

昼間ひとりで家に居たとき、うたた寝していたのかどうかもよく覚えていいないのだけど、、、夢とは違う「なんかはっきりした体験」をしたんだ

ほひほひ

UFOにでも乗ったかwww

タカコ

いやちがう。自分は椅子にもたれるように座っていて、しかも自分男でさ。日本じゃないんだよ。なんかポルトガルとかあの辺りかなあ、昔の南のヨーロッパの田舎で。まだ結構明るいけど夕方だった。

ほひほひ

ほほう

タカコ

女の人の声がするんだよ「さあ、いきますよ」って。姿は見えない。

ほひほひ

ほひ!

タカコ

その昔のヨーロッパのオッサンの自分、「え、ちょっと待って!え、え」って戸惑っている。「ちょっと待ってよ」と言っても、、

ほひほひ

言っても?

タカコ

その声だけの女の人に連れていかれて、す~っと上にあがっていくの。

ほひほひ

ほう

タカコ

椅子にもたれている自分の姿が見えるの。戻ろうとしても戻れなくてもうなすすべもなく、上にあがっていってしまうのよ自分が。

ほひほひ

女の人は?

タカコ

見えていないのだけど、なんか微笑んでいるのがわかる。連れていかれるのだけど、怖くはない。

ほひほひ

フウン

タカコ

その時の自分、思っているんだよ「ちょっと、いったん戻ってもらって、せめてあれとあれだけでも整理しておきたい」と。でもお構いなしにどんどん上がっていってしまう。で、その時はっきり分かったんだ!

ほひほひ

タカコ

これが【死ぬ】ってことなんだって。

ほひほひ

そうだな

タカコ

目の前のカップひとつ動かす事ももうできないのか、、って。そこで、、

ほひほひ

そこで目が覚めた?

タカコ

はっと我に返ったよ。寝ていたのかどうかわからない。だけど、そのこれが死ぬことなのか!って理解したときの感情があまりにもリアルではっきりしていてさ。ほんとにたった今体験したという感覚で。夢とはなんか違うって思ったのはこの感情のリアルさがあったから。

ほひほひ

それでこのことわざって訳か【後悔先に立たず】

タカコ

そう!すべての人に今世を離れる日は、いつか必ずやってくる。よくわかんない状況だったけど、「死んだらこうなる」という疑似体験ができたので、改めて深く理解ができた。生きているときには何てことのない目の前のカップを動かすことすらできなくなる。そしてそれはいつ訪れるのかわからない。

ほひほひ

そういうことだな。

タカコ

だから、あらためて思うよ。せっかく命があるのだから、後悔しないように毎日を過ごしたいなってさ。

ほひほひ

亡くなったひとのほとんどが「やった」事よりも「やらなかった」ことをあの世で後悔しているぞ。

タカコ

ヨシ!命をめいっぱい楽しく使っていこう(*^^)v

ほひほひ

それがイイネ!後悔先に立たず、、だからな☆

 

 

この著者の他の記事を読む

著者について

 

黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/

数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。

感想・著者への質問はこちらから