【読むPodcast | マネトレ56-後半】「決算書を良く見せるための役員報酬の設定額は?」第155回

創業1年目の人事コンサルティング屋さんからの質問に答える後半です。決算書を良く見せるための役員報酬の設定額など聞きたいことは色々あるようで…。「当初は利益をだすために役員報酬を低く設定したい。」「でもプライベートのために多く取りたい。」「低い設定だと連帯保証で借りられる額も下がってしまうのでは」「出口戦略どうしよう」。大久保先生にバサッときられた前半はこちら。(音声はこちら

円道

イーピー?エピ?

大久保

向こうで労働ビザ取るのに、給与を高く出さないともらえないんだよ、外国人だから。

円道

「エンプロイメント・パーマネント」ってことですか?

大久保

パーマネント??(笑)

円道

パーミットか。「永遠に」になっちゃった(笑)

大久保

今日、噛みまくるし、すべりまくるし。

円道

間違えまくるし。

大久保

まあいいや。

円道

ちょっと待ってください。「まあいいや」はよくないですよ(笑)

大久保

だって俺じゃねえもん(笑)円道くんが噛みまくってるだけで。

円道

もはや「円道“くん”」だし、「まあいいや」だし。ひどっ。

大久保

(笑)

円道

はい。ありがとうございます。

大久保

いや、まあ……何の話だっけ?

円道

シンガポールでEP。

大久保

ああ、そうそう。だから、あれなんだって。学歴が低いと、給与高くしないと入れないんだよね。だから中卒とかは入れんのかな。わかんないけど。

円道

ありますね。

大久保

大卒も、いい大学だと上になってさ。

円道

博士課程とか出てるとすぐ取れたりとか。

大久保

そう。すぐ取れたり。年齢が低いと安くてもいいんだけど、高いとそこそこ払わなきゃいけないみたいになってるからさ。まあ、税金を納めさせるっていうことだと思うんだけど。……えーと、何の話だっけ?……まあ、マインドセットを、ちょっと、ちゃんと、あれだと思うんだよね。その……あれ?

円道

マインドセット?

大久保

いやいや、違う違う。「見栄えのよい」とかいうよりも、ちゃんと利益をしっかり出せばいいじゃないですか。役員給与もちゃんと取って。

円道

うんうん。スーパー真っ当な話ですね、これは。

大久保

そうだよね、たぶんね。

円道

はい。

大久保

で、もうちょっとちゃんと言うと、結局、銀行も見るから、いくら役員給与取ってんのか。僕らもそうだけど、普通に創業期の利益だけ見る人いないから。利益見て、役員給与見て、減価償却見るからさ。そうすると、10万円とかしか取ってない人が「生活できないでしょ」みたいな感じにはなるじゃん。まあ、どれぐらいの生活なのかあれなのかわかんないけど。うちは創業がそんなにないからあれだけど、だいたい100とか200とかさ。役員給与も、でも、いい加減だよね、みんな決め方。

円道

月に、っていうことですか?

大久保

そうそう。100万200万300万みたいな取り方してるもんね。で、55パー取られちゃうからさ。だから、さっきのシンガポールの話は、「給与高いと税金高いから、なるべく給与出したくないよね」みたいな、逆に彼らは。要は資産あるから。

円道

ああ。

大久保

まあ、それはそういう世界の話かもしれないけど。でも、中小は安定していくと……まあ、でも、出口戦略ない人は給与バンバン上げていっちゃうっていうのもあるけどね。要するに売るとかさ。

円道

人事系のコンサルティングって、結構出口難しそうな業種ではありますよね。

大久保

難しいよね、たぶん。M&Aとかはしにくいだろうね。

円道

たしかにね。システムとか作ったりしない限り。

大久保

ああ、そっか。システム開発もあるんだ。

円道

すれば、ですね。でも、コンサルティングじゃなくなっちゃいますからね。

大久保

も、調達していくっていうことだから、やっぱり拡大はしていくんだろうね。人雇うとか。だから、そのときに……うーん、そうだね、利益を出しやすい……というか、人事系のコンサルって利益出ないとやばいと思うんで、一方で。

円道

経費かからない。

大久保

かかららないんでしょ?だから、まあ、生活費で、銀行にちゃんと説明できる金額と、「それでも、ちゃんと利益こんだけ出てますよ」みたいな、そんぐらい出せばいいんじゃないのっていう感じはするけどね。

円道

シンガポールとかに行ってる方って、要は投資とかで行くんですか?

大久保

投資とかだよね。

円道

あんまり言えなかったら、ちょっとこれ以上はいいですけど。

大久保

いや、べつに大丈夫だけど。

円道

だいたいどんな感じなんですか?会社の出た利益を投資しにいくんです?それとも個人の資産とかの投資?

大久保

個人の投資だね。

円道

ってことは役員報酬、結構取ってたりして?

大久保

ある程度過去取ってるか、M&Aか。

円道

ああ、なるほどね。資産形成して?

大久保

M&Aとか多いよね。資産形成して。それを持ってて、さらに向こうで運用をかけるっていう。数億円ないと厳しいと思うけど。

円道

あ、そういうレベルの話?

大久保

そうそうそう。

円道

「数億キャッシュ持ってます」が行ってる界わいの話?

大久保

そうそうそう。

円道

ああ。それ、なんか、ちょっと次元違いますね。

大久保

だけど、そこを目指すんじゃないの?それが正義とは思わんけど、でも、まあ……なんで俺シンガポールの話したんだっけ?シンガポール帰りだからね。

円道

そういうことですか。

大久保

日焼けしてきてるから、いまね(笑)

円道

はい。真っ黒ですよね。この寒い冬に。

大久保

そうそう。だから、状況とあれによってぜんぜん違う。創業期は生活費みたいなのでいいんじゃない?その後にちゃんと利益出てくるようになったら、本当にちゃんとライフプランを考えて逆算すべきだと思うけどね。

円道

ああ。

大久保

考えてない?100年生きんのに2,000万じゃ足りないわけだからさ、老後。

円道

そのシンガポール行ってる方々って、資本主義ちゃんと使って、レバレッジ利かせて資産を形成したっていうのがある一方、普通に事業をやってて、ちゃんと役員報酬とかでのキャッシュも持ってるから、みたいな人も中にはいるんですか?

大久保

やっぱそこを作りたいよね。もともと持ってる人たちはさ、みんな持ってりゃいいじゃん、富裕層は。やっぱ、ああいうビバリーヒルズみたいな情報はさ、ストリートに落ちてこないでしょ。

円道

出た(笑)

大久保

(笑)みんなはじめは創業だから大変なのはもちろんわかるんだけど、やっぱり、そこぐらいまで目指すようなのでいかないと、せっかく調達してやってても小さくなってしまうとか、黒字でプロパー受け続けたって、たぶん張った投資もできなくなっちゃうし。っていうことを考えると、そこの世界はなんとなくイメージをするといいのかなと。

円道

イメージしてやるのとぜんぜん違いますか?

大久保

だって、100年だとすると70年生きるわけだから、そうすると、なかなか大変だよね、ちゃんと稼いでいかないと。まあ、いまはどうなのかわかんないけど。あとは、だから、副業っていう……あ、ごめん、連帯保証の問題はべつに関係ないと思うけどね、ほとんど。難しいよね、連帯保証なんて取られてるけどさ、べつに払えると思ってないからさ、銀行も、そもそも。まあ、「逃げないため」ぐらいの話でさ。

円道

はいはいはい。プロパーのとこの話ですね。

大久保

そうそうそうそうそう。連帯保証の借入額も下がってしまうのではないか、みたいな。まあ、資産背景があれば借りられるっていうのはあるけどね。そのときは、逆にいうと連帯保証は取られないよね。おかしな話でね。

円道

ふーん。逆にお金ない人のほうが取られる?

大久保

取られるよね。もちろん取ってないけど、いざというときに取れると、ヤクザと思ってるから、彼らは。

円道

さらっと言わないでくださいね。

大久保

何か言ったっけ?(笑)聞き間違いだろ。

円道

記憶はあるようで。

大久保

それで、えーと、まあ、そこはそんな心配しなくてよくて、安定化し始めたらというか、はじめから出口を考えて経営すべきだとは思うので、その計画がなく事業をしてしまうと、結構苦しくなるのかなっていう。まあ、「赤字にしよう」とか「節税しよう」とか思ってない時点では十分いいと思うけど、少しもったいないというか。

円道

役員報酬をみなさん見直すタイミングってあるんですか?そういう話って出ます?「もうちょっと上げようかな」とか、そういう、なんか本当に素朴な話で。

大久保

ああ、出る出る出る。

円道

タイミング、まあ、ありすぎて何とも言えないと思うんですけど、この方いま1年目で、どっかのタイミングで役員報酬見直すっていうときの、参考になる何かあればなあ、なんて思ったんですけど。

大久保

ああ。でも、みんなあれだよね、自分がいくら生活費かかってるんだか、わかってないで聞いてくるからさ、「知らねえよ」って話なんだよ、ほとんど。

円道

ああ。言われてみれば。

大久保

「まず小遣い帳つけてきて」みたいな(笑)

円道

家計簿?(笑)

大久保

そう、家計簿。「家計簿見せて」みたいな話じゃん。

円道

言われてみればそうですね。月いくら必要なのかと。

大久保

そう。俺、自分で給与決めるとき、自分で考えたよ。

円道

やったんですか?

大久保

わかんなかったから。いくらにしていいかわかんないから、「いくら使うんやっけ?」と思って考えてみた。

円道

意外と使いそうじゃないですか?

大久保

いや、意外と使わないよ。

円道

創業時って使わないですもんね。

大久保

使わない。だって仕事しかしてないもん。

円道

ですよね。遊ぶ金もないし、時間もないし。

大久保

ないしね。まあ、だから、遊びなのか何なのかわかんないけど、でも、たぶんね、飲み会とか行ったって基本的には営業してんだろうしさ、基本経費じゃん。

円道

ですよね。昔の友達とそんな飲み行かないですよね。

大久保

たしかに。もし役員給与を下げて経費を切るっていうんだったら、創業の前はなるべく経費は切らずに、要するに自分のプライベートとして飲んでることにして、役員給与を上げたほうが、利益と役員給与のバランス見られるから、そういう意味では逆に、役員給与を下げて利益出すよりは、経費削って……それ粉飾じゃないじゃん?実際、「会社の経費じゃない、プライベートの飲み会です」って、まあ、飲みだけじゃなくてもいいけど、なるべく経費に入れないっていうことで利益は出ると思うので、やるならそっちなんだろうね。

円道

ああ。いやいや、しっかりとね、出口も踏まえた上で考えて。

大久保

あとは副業とかやんないとね。売上入れたほうがいいと思うよね。

円道

ありましたね。ここはちょっとコメントいただきたったんですが。

大久保

副業で稼ぐ……わかんない、社労士とかだから、もしかしたら、あの……

円道

ああ、そうか、「免許業のほうは入れられない」みたいなのはあるんですかね。

大久保

まあ、でも、それを安くして、他でコンサルフィー取るとかね、何かできると思うんで。まあ、なんていうか、もうちょっと決算がちゃんとよくなる方向で。

円道

シンプルに売上をあげて?

大久保

うん。上げて、経費減らして、役員給与はちゃんと使う額、みたいな感じでやっていけば。

円道

ここはシンプルにP/Lの話ですかね。

大久保

そうだね。P/Lの話だよね、これは。

円道

ですね。今日の話を受けて、また質問ありましたら、ぜひお待ちしております。

大久保

はい。

円道

というわけで、本日もありがとうございました!

大久保

ありがとうございまーす。

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