第15回 人生の予習に、『デスノート』を。

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第15回 人生の予習に、『デスノート』を。

安田

今日は「予習と復習」についてお話したいなと思っていて。西崎さんは予習と復習、どちらが大事だと思いますか?


西崎

どちらかと言えば、予習ですかね。

安田

ほう、なるほど。ちなみにそれはどういう理由で?


西崎

勉強にしてもビジネスにしても、結局事前準備がすごく大事なので。どういう準備をしたかで、リターンの大きさはものすごく変わってくる。

安田

確かにそうですね。ということは、復習はあまり重要ではない?


西崎

もちろんそれはそれで大事なんでしょうけど……基本的に復習って結果の確認じゃないですか。つまり過去を振り返ることなんです。一方の予習っていうのは方向が未来に向いている。

安田

なるほど、予習のほうがポジティブというか。


西崎

そうそう。だからどちらか1つを選べと言われれば、予習ですかね。

安田

なるほどね。とはいえですよ、学校って実は復習ばっかりなんですよね。宿題という形で、復習ばかりやらせる。


西崎

ああ、確かに。一方で「予習してこい」とはあまり言われない。

安田

そうなんですよ。むしろ塾とかで先の方まで習ってる子がいたら、先生は「ちょっと扱いづらい子」みたいな顔をする。「その解き方はまだ習ってないから使っちゃダメ」なんて言われたり。


西崎

ああ、確かにそういう側面はあるかもしれませんね。

安田

そういうところがね、なんというか日本の教育のよくないところだなと思って。


西崎

海外はそうでもないんですか?

安田

海外なら何にも言われないですよ。飛び級とかも当たり前にあるくらいですから。


西崎

ああ、そうか。確かに。

安田

でね、今日はなんでこんな話をしているかというと、私もやっぱり予習のほうが大事だと思うからなんです。先に学んでおく、先に考えておくってことが、人生の成功度を上げるんだと思っていて。


西崎

ほう、人生の成功度を。

安田

ええ。だってね、もし今の知識を持って子供時代に戻れたら、かなりの確率で成功できると思いませんか?


西崎

ああ、それは間違いないでしょうね。何をすればうまくいくか、どんなことが役に立つか、先にわかっているわけですから。

安田

でしょう? とはいえ、現実的に過去に戻ることはできないわけで、だからこそ予習することが大事なんじゃないかなと。


西崎

ははぁ、なるほど。人生の予習をすると。

安田

そうそう。でもね、先ほども言ったように学校では復習ばかりやっている。つまり、すでに知ってることを学び直すわけです。そうじゃなくて、もっと予習に力を入れていけば、皆の人生の成功度が上がるんじゃないかなぁと。


西崎

なるほどなぁ。そう言われてみたら、世の中って割と復習タイプの人が多い気がしますね。やっぱり学校教育の影響なんでしょうか。「復習しろ、反復しろ、すり込め」って言われ続けてきたから。

安田

それは大きいと思いますよ。授業のやり方もね、クラス全員で足並み揃えて、同じ内容を同じスピードで学んでいくでしょ。「ここ塾でやったからもっと先読んでていいですか」とか、そんなのは許されない。


西崎

確かに。

安田

要はね、日本って想定外のことを嫌うわけですよ。でもね、現実社会なんて想定外の連続じゃないですか(笑)。


西崎

仰るとおりです(笑)。

安田

そして、なぜ想定外かっていうと、想定してないからなんです。つまり予習していない。こういうことが起きるかもしれない、起きたらこう対処する、ってあらかじめ考えておけば、それは想定内なんですよ。


西崎

ははぁ、なるほど。その通りですね。今日も学びが多いです(笑)。

安田

そう言いますけど、西崎さんが今書いている本も、要は子どもたちの予習のためじゃないですか。西崎さん自身もその大切さがわかっているんだと思いますよ。


西崎

そうか、確かにそうですね! いや~、本の帯か何かに「人生の予習をしよう」とキャッチコピーを入れたくなってきました(笑)。

安田

いいですね~(笑)。でも本当に、いい予習になると思いますよ。だって大人になった西崎さんが「こういうときはこう考えるといいよ」と教えてくれるわけですから。


西崎

そうなるといいなぁ。

安田

なりますよ。ちなみにいま子供に「将来立派なビジネスマンになりたいんだけど、どういう予習をすればいいですか?」と聞かれたら、なんと答えます?


西崎

そうだなぁ……「いろいろな大人といっぱい話をするのがいいよ」と言うかな。

安田

ああ、なるほど。


西崎

例えばうちのオフィスってよく子どもたちが遊びに来るんです。そこでうちの社員とあれこれ話をするんですけど、考えてみたらあれも人生の予習ですよね。

安田

確かに。ちなみにどんな話をするんです?


西崎

必ずしも仕事に関することじゃないですね。でもオフィスで実際に働いている人たちと話すことで、何かしら感化されたり気付きを得るキッカケになるんじゃないかなと。

安田

なるほど、いいですね。あと、予習という意味では小説やマンガなんかも参考になりますよね。人間の思考とか行動パターンを学べるので。


西崎

確かに。先読みの勉強になりそうですよね。たくさん読むうちに「次はこういう展開になるんじゃないか」と想像できるようになったり。

安田

まさに仰るとおりで、ビジネスもそういう先読みができる人ほど成功しやすい。人間心理をいかに理解するかってことだと思うので。そういえば、『デスノート』ってマンガ読んだことあります?


西崎

ありますあります。全部読みました。

安田

あれは最初読んだとき驚愕しましたね。こんなに高度な心理戦を表現できるのかと。


西崎

キラとLの戦い、すごいですもんね。

安田

いや本当に。彼らくらい人間心理を知っていたら、どんな世界でも通用しますよ。


西崎

確かに。じゃあ人生の予習のために『デスノート』はぜひ読んだ方がいいですね(笑)。

安田

ええ。必読の書と言えると思います(笑)。

 


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数18万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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