其の八十 文字ってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:極端にする
ーーーー

文字。
拙者が竹やぶに
生息していた
幼き頃、

尻文字を
おもしろ
おかしく
披露してくれる
おじさんがいた。

おじさんは、
いま思うと
社会から

はじき出された人

だったのかと思う。

そのおじさんを
シーリーとでも
言っておこう。

シーリーは
いつも
ニコニコしていて、

学校で、ちゃんと勉強してるか?
してねーと、だめだよー。

と話しかけてくる。

シーリー、シーリー
尻文字して!

と子供たちが
せがむと、

シーリーは
くにょくにょ
尻を動かし、

くるっと顔を向けて
にやっとしたりして
子供たちを笑わせながら

な・ん・てかーいたかー

と問題を出してくれた。
実際、何を書いていたか
わからないけど、
どんな答えでも

はなまるだー。
満点だー。

とほめちぎってくれる。

シーリーの
尻文字は

文字

だったのだろうか。

ーーーー
そもそも話し言葉と
文字はちがう。

日本語は
文字を3種類、
使っている。

漢字
カタカナ
ひらがな

でござる。

すべての話し言葉が
文字を持っているように
感じてしまうが、
実はそうではない。
文字を持っている言語は
思いのほか少ない。

話し言葉と
文字は
まったく別物だ。

たとえば、
話せるからといって
文字を読み書き
できるとは限らない。

識字率

は教育水準を示す。

これは、
話すことと
読み書きが
まったく異なる
習得方法だからだ。

話すだけと
文字を知るのと
何が異なるのだろう。

それは

情報

が変わるのだ。
情報が変わると

自分の世界

が変わる。

ーーーー
山下和美さんの
漫画で、

ランド

という作品がある。

ランドは、
日本の江戸時代末期の
村社会を思わせる
情景から始まる。

東西南北を山と、
巨大な四方神に
囲まれた、
一見、のどかな農村だ。

この世界は

この世

と呼ばれている。
この世の人間は、
50歳になると

あの世

に行く。

この世とあの世

の2つの世界が
あることに気づいた
双子を中心に
展開されるストーリーだ。

で、文字だ。

この世には文字がない

のでござる。

ネタバレしちゃう
のでござるが、

閉鎖され、
文字を一切
遮断している
昔の農村である
この世は

あの世と呼ばれている
不老不死が可能な
社会を作り出した
あの世=ランド株式会社
が運営する実験場なのだ。

そして、あの世である
運営側のランド株式会社は
この世に文字を
持ち込むことを
一切禁止し、

「知」ではなく
生活する人間たちに
何が起きるのか、
その営みを
観察している。

ーーーー
しかし、ある日、
この世に生きる、
主人公が

文字を知る

出来事が起きる。
文字を知ることで、
主人公は

いろいろな世界がある

こと、そして、

この世とあの世

の抱える矛盾に
気づいていく。
彼女にとって

文字=知=世界の広がり

なのだ。文字は
自分が捉える世界の

解釈

が変容する情報を
記録する道具である。

ーーーー
記録する文字で
埋め尽くされた
世界を生きている
拙者たちにも

そういう文字にのって
世界が手元に
やってくる。

世界で流通している
文字情報は英語だから
英語を話せるよりも
読めるようになれと、
経営者の知人は
しばしば力説する。

でも、本当に
それだけが文字だろうか。

文字以前の文字、
たとえば、

星座

の発見は
文字の発見では
ないだろうか。

石の積み方、
並べ方や、

幾何学模様

も文字では
ないだろうか。
場を構成し
ある秩序を保つものは
いま、拙者たちが
文字と思っているものには
乗せることのできない、
異なる知の情報を
孕んでいるように思える。
これらも

文字

と言えるのでは
なかろうか。

情報がのり、
自分の世界の解釈を
変容させる文字とは違い、
こっちの文字は

解読

が必要となる。
読み手の教養や
思考の枠組みが
問われている。

冒頭のシーリーの
尻文字は
子供たちに
解読されていた。

解読の結果は、
その人に応じて
異なる世界が
展開されてよし!

としていた
シーリーは
尻文字に
何を乗せていたのだろう。

ーーーー
ってことで
文字とは、情報伝達の記録の道具ではない。

文字とは

 

この世とあの世の鍵

 

でござる。

拙者、書き損じても消しゴムで消さない派でござるよ。

 

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パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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