第117回 自分の商品に自信がなくなってきた

 // 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

起業をする時、私たちの多くは自分の考えた商品が売れることを期待して商売を始めることと思います。今回の辻本くんも、そんな期待を抱いて起業したうちの一人。

ただ、いつまで経ってもお店の集客がうまくいかない現状を目の当たりにして、「もしかしたら自分が提供したいお店の商品自体が間違っているんじゃないか」と、自信を失い始めているようです。

果たして、本当に辻本くんが考えたお店の商品は間違っていたのでしょうか?


「自分の商品を作る→その商品を売る」
商売とは言ってみれば、この繰り返しでしかありません。

ここで言う商品とは必ずしも値段のついた商品だけでなく、目に見えないお客さんがお店で過ごす時間の価値も含まれます。

つまり、この流れで考えるのであれば、「商品が売れない」という結果を招いている原因は「自分の商品」であり、だからこそ辻本くんは自分がお客さんに提供したいと考えている商品の価値自体に自信を持てなくなっているのだと思います。

「自分の考えた商品は間違っているんじゃないか」
商売がなかなか軌道に乗らない時にこう考えてしまうのは、当時の辻本くんだけじゃないでしょう。

でも、そんな経験からしばらく経って分かったことがあります。
それは、間違っていたのは「商品の価値」そのものではなく、「価値の伝え方」だったということ。

事実、私のお店は商品自体を変えるのではなく、その伝え方を試行錯誤し、自分なりに価値の伝え方を工夫することで売れるお店になることができました。

私たちは商売を始める時、商品を作ることに力を注ぎます。
その一方で、商品が提供したい価値をどのようにお客さんに伝えるのかという「手段」については疎かにしてしまいがちな気がします。

冒頭で私は、商売とは「商品を作る→その商品を売る」の繰り返しだと書きました。
ただ、より正確に書くのなら「商品を作る→商品価値を伝える→その商品が売れる」のであり、どんなに真剣に考えた商品も伝え方を間違えている限り、期待した結果にはならないということ。

「自分の商品が間違っているんじゃないか」

自分の商品自体を疑ってみることを否定はしませんが、それよりもまずは「商品の価値が伝わっているのか」を疑ってみる。

「価値を伝える」という過程の重要性に気づかない限り、どんなに商品を変えたとしても売れるお店になることは難しいかも知れません。

でも、逆に考えれば「価値を伝える」という過程に力を注ぐことさえできれば、その価値に共感してくれるお客さんはいるんじゃないか、と自信を失いつつある辻本くんに声をかけたいのです。

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著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計29店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。
https://tsujimotomakoto.com/

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