第135回「超レアな仕事?!切手デザイナーという小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「超レアな仕事?!切手デザイナーという小さなブルーオーシャン」


「日本で8人しかいない切手デザイナー」

手紙やハガキを出したのは
いつですか?
さらに言えば、切手を貼ったのは
いつでしょうか?

連絡を取ろうと思ったら
スマートフォンさえあれば、
なんとかなる現代。
会社が出す書類も、
レターパックなどを使う時代。

手紙やハガキを書くのは
年賀状くらい…。
なんなら年賀状も出さず、
メールでという人も。
いや、もはや年始の挨拶は
しないなんていう人も。

そうなると
切手を貼ってハガキや手紙を
出すという行動は、
非日常になりつつあるのかも
しれません。

今回はこの切手に関するお話。
コンビニなどで1枚から買える
動物や花が描かれた切手は「普通切手」
と呼ばれています。
それ以外にも何かを記念して作られたり、
キャラクターが描かれていたりするのが
「特殊切手」。


jacqueline macouによるPixabayからの画像

さて、これらの切手。
日本で流通している
全ての切手は
現在日本に8名しかいない
「切手デザイナー」と呼ばれる人たち
の手によって作られている、
ということをご存知でしたか?

わずか21.5×25.5mmの切手。
その極小のフィールドの中で、
さまざまなものを詰め込むのが
切手なんだそうです。

例えば戦争が終わり
世の中が明るくなると
切手のデザインも
明るくなっていくんだそうです。

1948年に発行された『見返り美人』は
郵便局に並ぶやいなや行列ができ、
すぐに売り切れたと聞いています。
戦後まもない、趣味の少ない時代。
切手収集はポケットの中の小銭で
楽しめるエンターテインメントの
一つだったんですね。

1990年代にはディック・ブルーナが
起用されたりして時代の空気感が
反映されています。

忘れもしない、
2011年3月11日。
東日本大震災。

寄附金付き切手は
初めての試みとして
「災害そのものをテーマにした切手」
を制作したそうです。

こうして見ると、
切手デザイナーは、
単にデザインをするだけではなく、
マーケティングや企画を
していることもわかります。

あの小さな切手に中に
さまざまな世界観が包まれている、
小さなブルーオーシャンなのでは
ないかな、と思いました。

 

 

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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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