第121回「週に1日だけしか営業しないスーパーの小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「週に1日だけしか営業しないスーパーの小さなブルーオーシャン」


「売上が毎日営業していた時の2倍になっちゃった!」

東京都足立区に、
毎週土曜日、
週に1日しか営業しない
スーパーマーケットが
あるらしいのです。

「スーパー 肉の金井」

週に1日だけで経営は
成立するのでしょうか?

答えは、成立どころか、
月商400万円だそうです。
週1日、月4日で400万円。
年間約48日間の営業で
4,800万円。
残りの317日はお休みです。
良くないですか?

元は毎日営業をされていたそうです。
ところが、周囲に大手スーパーが進出。
土曜日の特売日にしかお客さんが
来なくなってしまった。
そこで社長は、
じゃあ、土曜日の特売日だけ残して
あとは止めてしまえ、と。
実際にやってみたら、
売上が毎日営業していた時の
2倍になったというではありませんか。


PexelsによるPixabayからの画像

不思議なものですね。

さらにもう一つ秘密が。
開店前日の金曜日になると、
スーパー 肉の金井には
たくさんのトラックがやってきます。
みんな卸業者さん。
肉や野菜、果物などなどを
積んでやってきます。
実はこれ、卸業者が売りきれなかったモノ。
廃棄するにもお金がかかります。
卸業者とすれば、安くても売りさばきたい。
スーパー 肉の金井はこれらをすべて受け入れ、
土曜日に激安価格で販売するのです。

土曜日に訪れるお客さんは
安さに引かれて大量に購入していきます。

お客さんにとっても、
卸業者にとっても、
そして、スーパー 肉の金井にとっても、
ハッピーな土曜日になるのです。

営業日を増やす、
営業時間を長くする、
ことは簡単で、
営業日を減らす、
営業時間を短くする、
ことは難しい。

本当にそうなのでしょうか?

コロナが蔓延して、
一時期は業務時間を短くしたり、
出社をせずにテレワークにしたり、と
仕事時間の改革が行われるかと思いきや、
また元に戻ってしまったような気もします。

売上は時間が作り出すものではなく、
売上は商品、サービス、工夫で生み出される
という小さなブルーオーシャンでは
ないでしょうか?

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スーパー 肉の金井
東京都足立区南花畑3-27-14
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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