私だけの検索ワード

現代人には考える時間が少ない。
スマホでググればすぐに答えが出てくるからである。
何か欲しいものがあったり、気になることがあったり、
思い出せないことがあると、私たちはググる。

ああ、ここで買えるのか。
なるほど、そういうことだったのか。
そうだ、これだった。
それらしき答えが見つかると私たちは安心し、
モヤモヤから解放される。

辞書で何かを調べるのとはわけが違う。
辞書で調べる場合にはまず辞書を選ばなくてはならない。
英和辞典でフランス語は調べられないし、
漢和辞典でセミの種類は調べられない。

しかしスマホは違う。
ありとあらゆる質問に対し、
世界中から集められた情報の中から、
最も適した答えが瞬時に導き出される。
すべてはGoogleさまのおかげなのだ。

Google以前とGoogle以後。
そこで人間の生活は一変する。
自分の頭で考えるのではなくスマホでググる。
知識や情報を暗記するのではなくスマホでググる。
お店も、商品も、学習塾も、アイドルも、
ゲームの遊び方も、スマホの使い方も、ググれば分かる。

ありとあらゆることの初動がググりなのである。
そんなことは分かっているよと言われそうだが、
じつは多くの人は気がついていない。
この変化がどこに向かっているのかということに。

検索ワードに合わせて広告を出す。
そこはもうレッドオーシャンだ。
検索ワードに合わせて上位表示させる。
ここもレッドオーシャンになりつつある。
ではブルーオーシャンはどこにあるのか。
その答えは検索にある。
私だけの検索ワードを探すのだ。

私の顧客と出会う。
私の商品が欲しい人と出会う。
その入口はググりである。
これはもう変えようのない事実だ。
問題はググるその先である。
ググりはこの先さらに広くなり、
そして深くなっていく。

とんでもなくニッチなキーワードにも
出口は用意されていくだろう。
だがそれは商売の入口としては狭すぎる。
もっと広く、そして深い入口が必要なのだ。
それは複合検索である。
決してニッチではない誰もが使いそうなワード。
その組み合わせ。

何と何と何を組み合わせるのか。
それは南京錠の数字を合わせるような作業だ。
ピタリと合う組み合わせはひとつしかない。
5桁6桁と増やしていけば
その組み合わせは無限大になる。
その中から探し出すのである。
私だけのキーワード。その組み合わせを。
それは私と出会うための魔法の暗号。
小さなブルーオーシャンの入口。

 

 

この著者の他の記事を見る


尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)

 

1件のコメントがあります

  1. レアな自分だけのマイ検索用語は、自分だけのマイポジションという意味~活動領域であると感じました。面白いコラム、ありがとうございます。

時合健生 へ返信する コメントをキャンセル