このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「14年間、週末に行列ができ続ける山奥の小さなブルーオーシャン」
「家庭でも食べられる。けど、並んででも食べたいものとは?」
それは『TKG』
つまり『卵かけご飯』
近頃、多くのお店でも締めの一品として、
見られるようになった卵かけご飯。
店主がこだわり抜いたお米と卵。
いつも家で食べるそれとは違う。
だからお金を出してでも、
食べたくなるんでしょうね。
しかし、卵かけご飯にお金を出してまで
食べるようになったのはいつ頃からでしょうか?
私の子どもの頃、いやもっともっと以前から、
卵かけご飯は、家庭の食卓にあったものですから。
この「卵かけご飯」だけで、
14年間、行列の絶えないお店があります。
卵かけご飯専門店「但熊(たんくま)」
兵庫県豊岡市但東町という
人口わずか140人の小さな集落に、
年間約4万もの人が訪れ、
週末ともなれば、
2時間待ちは当たり前。
人気テーマパークのアトラクションよろしく、
5時間待ちも記録したほど。
しかし、卵かけご飯の専門店というだけで、
こんなにも成功するのだろうか?
但熊の店主 西垣源正氏は、
この土地に生まれ育った養鶏農家。
高級な魚粉など約25種類の原料を自ら配合した
エサを鶏に与えるなど、コストをかけたこだわりの卵。
しかし、卵の価値をわかってくれる人は
ごくわずかだったそうです。
養鶏場だけでは生活できないため、
減農薬米の栽培も始め、こだわりのお米を作ったものの、
指定米ではないため、買ってくれるところはない。
うまい卵とうまい米-。
思案して思いついたのは「卵かけご飯専門店」
「家で食べられる卵かけご飯なんて、わざわざ人が来るのか?」
これが周りの反応だったそうです。
しかし、私は思うのです。
ちゃんと商品化したからではないか?と。
世の中には、良いものを作っている人や会社は
たくさんあると思うのです。
でも、良いもの、良い製品、
だから売れる。だから買う。
とはなりません。
製品を商品にしないと売れないと思うのです。
さらにどんなに素晴らしいもの、
美味しいものでも、わざわざ並んでまで、
もっと言えば5時間も並んでまで
買いたいと思うでしょうか?
実は、西垣源正氏。
140人の小さな集落を逆手に取り、
自然の豊かさを取り入れたのです。
周囲をきれいに整え、休耕田を借りて、
田んぼを復活させ、昔ながらの田園風景を
見せ続けたと言います。
景色もスパイスにしてしまったとでも言いましょうか。
現在は、こだわりの卵を使ったスイーツも手掛け、
そこでは地元の人たちが働いているとか。
つまり雇用までも生み出しているのです。
今でこそ卵かけご飯ブーム、TKGブームですが、
そのブームが来る前から、知恵を絞り、
アイデアを形にした小さなブルーオシャンでした。
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卵かけご飯専門店「但熊(たんくま)」
兵庫県豊岡市但東町栗尾916
http://www.eonet.ne.jp/~tankuma/
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2件のコメントがあります
いつも楽しく拝見させていただいています。
秋葉原駅の総武線にあるミルクスタンドは、小さなブルーオーシャンですよね。
(※うっかり、駅名を誤りました。後日訂正。御茶ノ水駅→秋葉原駅)
コメントありがとうございます!
秋葉原のミルクスタンド!
駅構内にある牛乳に特化したお店ですよね。たしかに小さなブルーオーシャンです。
毎朝、小銭を払い、ぐっと牛乳を飲み干して、颯爽と立ち去るビジネスパーソンは、ある意味、粋ですね。