このコンテンツについて
なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
「アンガーマネジメントの達人が怒り狂う国、フィリピンとは?」
実は、先週はフィリピン(マニラ)に居ました。
子会社(ITアウトソーシング)がフィリピンにあるので、そこにお邪魔していますが、コロナもあって、なかなか来れずに2年半ぶりくらいです。
マニラの空港を出て感じる、熱帯モンスーン気候の熱気と湿度、出迎えの人でごったがえす空港出口。
「タクシー?タクシー?」としつこく寄ってくる人たち。
まさに、喧騒・・・「あぁ、そうそう、これがフィリピンよ」って感じるわけです。
実は「そうそう、これがフィリピンよ」の要素って、フィリピンに期待している何かなのですが、僕にとってそのほとんどが一般的にネガティブな物事なんですよね(苦笑)
例えば、不便さ、品質の悪さなど、遅さ・・・総じて「微妙」なことばかりなんです。
この「微妙」にフィリピンらしさを感じるわけです。
では、仮にこの「微妙」が改善されて、洗練されていたら?・・・「いやいや、これはフィリピンじゃない!」って思ったかもしれません。
不思議なものですが。
僕はフィリピン滞在中、会社近くのホテルに宿泊します。
何度か使っている定宿みたいにしているホテルですが、ここでも「微妙」エピソードが息をするくらい自然に生まれますので、ホテルでのできごとだけを紹介しますね。
チェックインのとき、コロナの影響でジムとプールの利用に制限がかかっていた時期もあったので、自由に使えるか聞いてみたんです。
そしたら、受付の女性は「もちろんです、午前6時から午後6時まで使えます」と答え、丁寧にメモまでくれました!
– フィリピンあるある:機嫌がいいスタッフは親切で笑顔。
翌朝、早速、5階にあるジムに行き、ジムのドアロックにカードキー当てるも、ビーッと鳴るだけで扉は開きません・・・
フロントに行き、その旨伝えると、「ここにサインしてください」とジムの利用についての書類にサインをさせられました。
このホテルは何度か使っていますが、初めてのことでした・・・
– フィリピンあるある:対応するスタッフでやり方が違う。さじ加減レベルのブレではない…
そのスタッフは部下らしき人に指示を出して、僕のカードキーを有効にしてくれたようでした。
エレベーターに向かう僕に対して、「これで大丈夫だ!」みたいなことを言っていた。
– フィリピンあるある:「もう、大丈夫だ」みたいな空気を出すが、実は何も大丈夫じゃない…
そして、ジムに行き、カードキーをドアロックに当てると、ビーッ・・・
何度試しても、ビーッ・・・、ビーッ・・・、ビーッ・・・
– フィリピンあるある:一度では絶対に解決しない…
このときは、たまたま通りかかったスタッフが解錠してくれました・・・
翌朝、同じ様にジムに行こうとするも、今度はジムがある5階にだけエレベーターが止まりません・・・
僕レベルになると、「今度はそうきたか!」と思うのです。
– フィリピンあるある:色んな意味でエレベーターがヤバい…
フロントに行き、「5階に止まらないから、ジムに行けない」と伝えると、昨日と違うスタッフが無線で何やら連絡しています。
どうやら、5階のスタッフがオープン時間にエレベーターが5階に止まる設定を忘れていたようです。
– フィリピンあるある:大事なことを忘れる…(目の前の何か楽しいことに夢中になる)
しばらくして、エレベーターが5階に止まるようになり、ジムの前に来ることが出来ました。
そして、カードキーをドアロックに当てると、ビーッ・・・
僕レベルになると、「知ってた、全部知ってた・・・」となり、全く動じません。
– フィリピンあるある:一度あることは二度あるし、当然、三度目もある。同じことが永遠に起こる…
フロントに行き、その旨伝えると、先程のスタッフは僕のカードキーを手に取り、何やら設定してくれていました。
なぜか、前日のスタッフがしたように、ジムの利用についての書類へサインは求められませんでした。
– フィリピンあるある:やはり、対応するスタッフでやり方が違う。スタッフの当たり外れが酷い。
「宿泊しているホテルの部屋からジムに行く」という行為だけで、これです・・・
そう、これが、これがフィリピンなのよ!
エレベーターもちゃんと動いて、カードキーが有効で、あっさりジムに入れたら、それはもう僕が期待するフィリピンではありません。
・・・もしかして、こういう人のため、「あえて」なのかな。
まぁ、こうして愚痴らないと、ストレスで死にますので、語らせていただきました。
観光なんかでは、戦略的に「不便」を残したり、「無駄」を創るのは、実はブランディングにつながるのですが、くれぐれもやりすぎないように・・・フィリピンになっちゃいますからねw
ちなみに、その翌日も5階にエレベーターは止まらず、フロントに行くと、「ジム利用の書類にサインしろ」と言われた・・・
– フィリピンあるある:永久ループみたいなのに陥って、考えるのをやめる。
ちなみに、この記事はフィリピンの首都マニラにある国内最大の都市マカティにある事務所で書いていますが、電力が不安定なのか照明がめちゃくちゃ暗く、エアコンが止まって、インターネットもブツブツ切れます・・・
– フィリピンあるある:電力とインターネットは、やる気がある日とない日の差が激しい。
アンガーマネジメントの達人でも怒りで我を忘れることができる国、フィリピン。
ご興味がある方、是非、フィリピンに住んで、フィリピン人たちと仕事をしてみてください♪
アンガーマネジメントスキルが通用するかどうか、最高の腕試しになりますよ。
なお、ルームキーで自分の部屋に入れないのが2日連続で続きました・・・
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。