このコラムについて
小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?
と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。
「社長の素人目線のマニュアルが成功の鍵という小さなブルーオーシャン」
少子高齢化により後継者を確保するのが課題という企業が跡を絶ちません。
特に熟練の技を有する専門メーカーは、後継者どころか職人の確保さえ難しいと言われています。
そこで外国もしくは外国の方に活路を見出す企業は多いですね。
東京都台東区にある株式会社ニューロンドンもそんな企業のうちの一社です。
職人ではない社長がベトナム人に技術指導。素人目線のマニュアルが習熟期間を短くすることに成功
株式会社ニューロンドンは、キャリア女性をターゲットにした婦人靴の製造を手掛けている会社です。手作りにこだわり、履き心地の良さ、デザイン、素材をこだわったオリジナルブランド「YOSHITO」を、国内の百貨店を中心に販売しています。
当然、このこだわりの靴は熟練の靴職人が支えているわけですが、職人の高齢化が進む一方、職人を希望する若者は少ない、という典型的なメーカーの課題に直面していました。また、一人前になるには6年ほどの修行が必要になるため、同社にとって後継者問題はますます進む一方でした。
同社も多くの企業同様、人材を海外に求めていきます。
2,000年ごろ、韓国人職人を多く抱え、多いときには10人ほどの韓国人の職人を抱えていたそうです。ところが、全員が退職してしまうという緊急事態が発生。人手が足りなくなった同社は、廃業寸前にまでなったそう。
韓国人の優秀さを目の当たりにしていた同社代表である米田義人氏は、海外で人材を見つけ、同社で靴職人を育成しようと決意します。
目をつけたのはベトナム。
縫製業や製靴業が盛んなベトナムにおいて他社の雇用条件を調査。夜遅くまで残業しないと最低賃金にさえ届かないのが、ベトナムの労働環境でした。そこで、残業しなくても最低賃金を確保できる条件を提示した結果、狙いは大当たり。採用枠を超える応募があり、経験者も採用できたと言います。
しかし、次に出てきた課題が、技術指導。日本からの職人を技術指導としてあたらせたものの、環境に馴染めずやむなく帰国。職人ではない米田社長が技術指導を担当することになったそうです。
靴作りの細かい技術がわからなかった米田社長。何をしたかというと製造方法のマニュアル化。特に職人ではない米田社長が行なったのは素人目線であるということと、一つひとつ丁寧に解説したこと。奏功し、1年は覚悟していた技術の習熟を半年程度に短くできたそうです。
その後、ベトナムに新工場を建設し、オリジナルブランドはすべてベトナムで製造する体制になり、さらには内製化の設備投資を行なって、ベトナム工場は型紙や見本を手掛けるまでに成長したそうです。
人手が足りなくなり、一次は廃業まで考えた同社。
外国や外国人労働者に目をつけるところまではどの企業でも行なっていそうです。
しかし、株式会社ニューロンドンが他の企業と違った点は、当たり前のことを当たり前にやってみたことではないでしょうか?
現地の他社の応募条件を調査して、母集団を形成することや素人目線でもわかりやすいマニュアル化など、やって当たり前のことを、当たり前にやっている、それが小さなブルーオーシャンにつながったんだと思います。
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株式会社ニューロンドン
東京都台東区
URL https://newlondon.co.jp/
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