「もの・体験・時間・選択肢が多いほど幸せなのか」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第609回「もの・体験・時間・選択肢が多いほど幸せなのか」
あり過ぎても不幸ですよね。少ない方が幸せだと感じることもあるのです。
人類はいまその過渡期を迎えつつある。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング ナビゲーターの栃尾江美です。ごぼうのおいしい食べ方を募集中です。

安田

安田佳生です。しっくりきますね。

栃尾

これで良くなった?

安田

自然な感じになりました。もはや金子さんがいない違和感がなくなってきたかも。

栃尾

いけないいけない。違和感は残しておかないと。

安田

ごぼうの食べ方はきんぴらしか思い浮かびません。

栃尾

やっぱそうですか。でもきんぴらはお醤油が多くて塩分も多くて。

安田

和食屋さんに行くと白ごま和えとか、豆腐和えとか、いろいろありますよね。

栃尾

確かに。

安田

僕は料理好きなんですけど、めんどくさいのは嫌なんです。ごぼうはちょっと苦手。

栃尾

どういう部分が苦手なんですか?

安田

タワシでこすって汚れを落とすとか。どこまでこすったらいいのかよくわかんないし。

栃尾

境目がわからないですよね。

安田

白ネギをみじん切りにするのは好きです。

栃尾

はいはいはい。

安田

縦に切れ目入れてサクサク切ると気持ちいい。

栃尾

縦派ですか。玉ねぎも気持ちいいですよね。

安田

玉ねぎも気持ちいい。包丁がよく切れることが前提ですけど。切れない包丁で玉ねぎを切るとズレちゃうじゃないですか。

栃尾

はい。切れないと玉ねぎがズレますよね。

安田

ズレるともうやる気しない。だから栃尾さんの息子さんを見習って砥石を買いました。

栃尾

素晴らしい。研いでるんですか?

安田

研いでます。やっぱ砥石だなと。ちょっと切れ味を取り戻すぐらいだったらシャープナーでいいんですけど。

栃尾

うちそれもあります。

安田

シャープナーは刃先をギザギザにしているだけなので、根本的な解決にはならないんです。やっぱり砥石には敵いません。切った時の気持ち良さが違う。

栃尾

なるほど。

安田

で、今日は砥石の話ではなく、増やす幸せと減らす幸せについて。

栃尾

前にもちょっとやりましたよね。

安田

今回はものだけじゃなくコト消費も含めて。旅行で「高級ホテルに泊まる幸せ」とか。そういう幸せをだんだん求めなくなってきまして。

栃尾

時代的にも過ぎてる感ありますよね。

安田

時代なのか。年齢のせいなのか。お金がなくなった開き直りなのか。原因はまだよく分からないんですけど。

栃尾

なるほど。

安田

高級ホテルに泊まらなくても「それなりの楽しみ方があるよね」という気がしてきて。家族で旅行するとどんなシチュエーションでも楽しめるんです。

栃尾

うんうん。分かります。

安田

お金がないと買えるものも限られてきまして。本当に欲しいものしか買わなかったり、本当に食べたいものしか食べなかったり。これが健康にも繋がったりして。

栃尾

質素な食生活の方が健康的ですよね。

安田

そうなんですよ。人生って、あるところをピークに減らしていった方が、幸せ感は増すんじゃないか。という気がしてきまして。

栃尾

私も少ないものでやりくりする楽しさはすごくあります。でも物欲に負けることもありますね。

安田

物欲に負けた時はどんなものを買うんですか?

栃尾

同じ服をずっと着回していればいいんですけど。最近オーバーサイズに大きくファッションの流行が動いてまして。

安田

なるほど。

栃尾

今までのジャストサイズだとちょっとダサく見えるっていう問題があって。

安田

ファッション業界の陰謀ですよ。それ。

栃尾

陰謀なんですが(笑)ダサく見えるから「買わなくちゃいけない」という気持ちになっちゃって。まだまだ修行が足りんなと思ってます。

安田

「あなた何年も服を買ってませんね」みたいなことがバレちゃう。

栃尾

そういうことですよ。「いつの時代の服を着てるんだ」って。

安田

それも陰謀ですよ。恐ろしい。

栃尾

でもファッションはアップデートしていかないとしょうがない。眉毛の形も流行り廃りがあって。10年前の写真を見るとすごく細いんです。眉毛なら生やせばいいだけなんですけど。

安田

服はそうもいかない?

栃尾

洋服とか買うしかないですよね。

安田

まあ確かに、ある程度の流行りは意識しますね。僕も。

栃尾

そうですよね。

安田

基本的には自分が好きな服を着ますけど。昔は気に入った服はとりあえず全部買ってたんです。色違いで両方買うとか。

栃尾

すごいですね。

安田

でもそういう服って着ないまま捨てることもあって。使えるお金が限られていると、よくよく考えて買うようになるから。手に入った時の喜びも大きいし。

栃尾

はいはい。

安田

でも、だんだん、それすら通り越してきて。

栃尾

そうなんですか。

安田

はい。欲しくても「買わない」という選択をすると物が増えないじゃないですか。それが快適で。「欲しいな〜」と思い続けられるのもいいし。

栃尾

買っちゃうと冷めますよね。分かります。

安田

手に入れないことによるハッピーと言いますか。

栃尾

好きな女性がいても結婚しない方がハッピーみたいな?

安田

だから若者は結婚しないのかも。栃尾さんの言う世界的な流れかもしれませんね。

栃尾

そういう流れは感じます。

安田

人類がどんどん便利で豊かになってきたことの、ゆり戻しと言いますか。正反対に人間の欲求や豊かさが向かっていくような気がするわけですよ。

栃尾

はいはい。

安田

アパレル業界の陰謀で「古いデザインはダサい」って言われたけど。これからは逆に「かっこいい」って見られ始める可能性もあるわけです。

栃尾

時代はぐるぐる回りますからね。でも買った後クローゼットがぎゅうぎゅうになっていくのはすごく嫌ですね。

安田

すごく嫌です。それだけで買ったことを後悔します。

栃尾

トレードオフっていうか。買った分の嫌な思いをしてる。私はもっともっとスカスカにしたいんですよ。

安田

分かります。クローゼットがスカスカになると心がスッキリしますよね。

栃尾

超気持ちいいですよ。服がいっぱいあっても「ないもの」が気になるし。服がある時の方がそうなるのかも。

安田

少ないほうが愛着は湧きますよね。一つひとつに。

栃尾

少ない方が幸せ感は高いかもしれないですね。

安田

次の服は「最低1年は買わないぞ」って決めてるんですけど。酔っ払って買っちゃったりするんです。

栃尾

酔っ払ってポチっちゃうんですか。

安田

ポチっちゃって後悔します。

栃尾

判断力が鈍るわけですね。

安田

そういう時に限ってつまんないものを買うわけですよ。

栃尾

「安いから買っちゃう」みたいな。

安田

そうそう。大して欲しくもないのに。うまい具合にセールの案内が来たりするんですよ。「あなただけのためのセールです」みたいな。

栃尾

そういうのに引っ掛かるんですね(笑)

安田

お金がなくて買えない方がいいのかも。でも、ある程度満たされないと、持たない幸せって実感できない気もする。

栃尾

そうですよね。

安田

人類全体がもうそこまで来てるってことなのかもしれません。すでにかなり満たされた状態なので。ゆり戻しが来るところまで来てる気がします。

栃尾

またいつか戻るかもしれないですね。

安田

戻る?

栃尾

物が欲しい方に人類全体が行くかもしれない。また揺り戻しが来て。

安田

どうなんでしょうね。ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。
みなさんからの質問をお待ちしています。質問がある方は境目研究家安田佳生のホームページ(安田佳生ドットコム)からお申し込みください。では来週もお楽しみに。


*本ぺージは、2024年5月29
日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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