人間交換日記 142通目「古典的な問いに戻ってくる」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


142通目/大野からの返信
「古典的な問いに戻ってくる」

完璧なシステム。確かに。それを歪にそして、複雑にしているのが僕たちなのかもしれません。そして、安田さんと話していると不思議な事に、役立つとか役立たないとか、もっと言えば必要とか必要じゃないとか、そういった次元の軸それ自体が、実は人生を、生きるってことの価値を、極端に下げ窮屈にしてしまっているのもしれません。その様に考えられるようになりました。と同時に古典的な問いに戻ってくる。人間を人間たらしめるものは何か?はたまた、生きるとは何か?
今、僕たち大人に突きつけられている向き合うべき問い、それは何か?
例えば、江戸時代と比較して、魂、そして、精神は成長しているのか?それとも後退しているのか?などなど。

前回141通目/安田「完璧なシステム」

大野さんへ

役割には「自分のための役割」と「人のための役割」がある。ということでしょうか。自分が稼ぐために働くのか。人の役に立つために働くのか。これと同じですね。こういう話をすると偽善だとか、だったら人に寄付しろとか、訳のわからないことを言い出す人がいます。それは「騙されないぞ」と堅い殻に閉じこもって、いちばん損な生きかたをしている人たち。大野さんのおっしゃる通り、社会とはつまるところ「大きなひとつのシステム」だと思います。とても良くできたシステム。「自分のための役割」と「人のための役割」が一致していれば、すべてがうまくいくようにできている。いったい誰がこんな完璧なシステムをつくりあげたのでしょう。

ー安田佳生より

 

前々回140通目/大野「ミツバチがもたらす経済効果は66兆円?」

安田さんへ

その通りですね。役割について考える時、実は僕が直ぐに思い出すのがミツバチです。ミツバチは自分達の為にせっせと蜜を集めていますが、世界の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介していて、世界の作物の3分の1を受粉していると言われています。その経済効果は66兆円。そして、この話に触れるともう一つ思い出すのがシステムです。例えば安心安全な水を世界に。そんな問題に切実なまでに遭遇したら、取り組みとしては煮沸、濾過、浄水器等々というものから水道管…その先の生態系、環境問題へと社会システムまで広げて取り組むことが可能です。何れにせよ役割は、大きく二つの果たし方があるように思うわけです。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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