人間交換日記 170通目「人生観」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


170通目/大野からの返信
「人生観」

出会うべくして出会った。振り返ればそう言える出会いはありますが、それが果たして運命だったのか?そして、そもそも運命とは何か?それは切り拓ける性質なのか?運命によって予め定められていたのか?どうやったって何を選択した所で、出会うべき人には出会うようになっているのか。それとも、ある選択をしたばかりに出会えていなかったり、ある選択をしなければ実は出会わなかったのか?知る由もないだけで、実は僕たちは定められたシナリオをなぞるように生きているだけなのか?宿命と運命は個人的には違います。ではどのように違うか?はっきり言えることは、それぞれが持つ人生観に基づいてそれぞれの人生が構築されているという点です。

前回169通目/安田「自分を知る方法」

大野さんへ

人はなかなか自分に感謝できません。そして感謝できないから自分を粗末にしてしまう。ではなぜ人は自分に感謝できないのか。「それは自分を知らないからである」なるほど。これはとても腑に落ちました。自分を知ることができればもっと自分に感謝できる。そして自分を知るためには他者と交わるしかない。おっしゃる通りだと思います。役割とは他者との関係性の中から生まれるものですからね。自分ひとりで考えていても永遠にわからないのでしょう。きっと世の中には「自分を知るため」に出会うべき人がいるんでしょうね。どうやったらその人と出会えるのでしょう。待っていれば出会うものなのか。それとも探すべきものなのか。

ー安田佳生より

 

前々回168通目/大野「そして、知らない事、自覚できないことに感謝はできない」

安田さんへ

仰る通りですね。山にこもって、明けても暮れても自己認識を自分一人で、例えば瞑想みたいな事をし続けて試みたとしても、一切発明できないでしょうね。つまり僕たちは、他者と交わって初めて己を知る事ができるようです。安田さんの言葉でいえば、旅に出て初めて分かる。人間は眠るってことは知っていたとしても、自分がいつ眠ったのか?を自分で知る術を僕たちは知りませんし、心臓は、基本的には何の励ましも命令も特に受けずに、ずっと鼓動しています。要は知っている様でいて知らないこと、自覚している様でいて、からっきし自覚されていないことは考えればキリがありません。そして、知らない事、自覚できないことに感謝はできない。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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