その40 それでも会社に通うワケ  

コワーキングスペースとかカフェとか新幹線とか、
ここは仕事をするところです、と定義された場所「以外」での労働が
ネットワークインフラの整備とともに誰にとっても身近になりました。
その昔、ファミレスとか飲食店で腰を据えて仕事をする人といえば
漫画家くらいしか思いつかなかったものですが、
いまはスマホとパソコンとネットがあれば
立って半畳寝て一畳、
デスクワーカーはどこででも仕事できてしまうご時世です。

個人的には、このような風潮になるにつけ、
前々から疑問に思っていたことがあるのです。
それは
ノートパソコンってあまりにも画面が狭くないですか?
というものです。

パソコンはおろか仕事もスマホにいろいろやらせようとする時代、
こんなことをいうとおまえが老眼なんだと一蹴されそうですが、
メールを打つだけならともかく、
ネットを見るだけでも画面が広いにこしたことはありません。
ましてやちょっと資料のようなものをなにやらするとなると、
アプリを同時にいくつも広げたいのが人情ではないでしょうか。

オフィスでは、使用するのはノートパソコンでも、
普通の据え置きディスプレイにつないで使われるパターンが多いようですし、
狭い方がはかどるよ!という方はまあいないのではないかと思います。

画面の広さだけではありません。
椅子も、静粛性も、トイレとの距離も、
コワーキングスペースやカフェや新幹線が
「ホームとしている空間」に勝ることなどあるのでしょうか。

私事ですが、若いころ一時期、外に出て現場施工的な労働をしておりました。
事前に準備をして現場に行くのですが、見込み通りにいかなかったり
ひどいときは準備の時間がなかったりなどする際は
現場で仕込みの作業をすることがあったものの、
それはもう決していいことにはならないのでした。

なぜなら、外は、設備がなく道具は不十分で、
寒くてこごえたり風でホコリが舞ったり雨で話にならなかったり、
あるいは買うと高いインパクトドライバーを出しっぱなしにしておくと
同じ現場にいるほかの会社の職人にパクられる危険があるので
メシを食いに行く際にはキチンとしまっておかなければならないなど、
アウェーということ イコール 不利にしかならないからです。

ノマドワーク、いうなればキャンピングカーに定住するようなものではありませんか。
わたくしは自宅をこよなく愛しており
会社の事務所をペットが動物病院を見るような目で見ていますが、
それでも業務は本質的に後者で行なわざるを得ないものと
深いあきらめの気持ちでいるのです。

 

この著者の他の記事を読む

著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

感想・著者への質問はこちらから