第59回「新商品の拡販を考える」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第59回  「新商品の拡販を考える」

娘を見ていると「女の子だなぁ」と思います。誰が教えたわけでもないのにカワイイものが大好きで、物心ついた時から着飾ることに興味がありました。
こちらのネイルプリンターは、そんな娘がやったら大喜びしそうなカシオとコーセーの共同開発商品です。


意匠登録第1630837号(意匠権者:カシオ計算機株式会社)
【意匠に係る物品】ネイルプリンター

 


まだ研究段階で販売されていませんが、銀座のメゾンコーセーで試してきました。
下地を作るのに乾燥時間とあわせて10分かかるものの、プリント自体は15秒で完了。そのあとネイルを保護するトップコートを塗って5分ほど乾燥させれば完成です。少なくとも1時間はかかる通常のネイルに比べると格段に早いです。

未来コンパスが指すミライ

私が営業担当なら、次のサッカーW杯を使ってのイベントを企画するでしょう。スタジアムやパブリックビューイング会場にブースを設け、代表カラーのデザインを用意します。
縦・横・高さがそれぞれ30cmほどのプリンターなので、スタジアムなら数十台は設置できます。試合前はもちろん、ハーフタイムにもユーザーを増やしたいところ。トイレに並んでいる時間を活用して下地を乾かしてもらい、戻るときにサッとプリントします。
普及させたいメーカー、気分をあげたいサポーター、大会を盛り上げたいサッカー協会、誰にとっても得があります。翌日のニュースに取り上げられれば最高です。

ビジネスシーンへの展開も考えられます。
プレゼン内容に合わせてネクタイの色を決める男性は多くなりましたが、女性はどうでしょうか。スカーフがその役目なのでしょうが、イマイチ浸透していないように思います。そのマーケットをネイルで取れないでしょうか。
爪は、体の中で最も先端にあり、人の目を集めやすい個所です。他のアイテムよりもクライアントに強い印象を与えることが出来そうです。
ビジネスパーソンとしては、何より早くて簡便なのがポイントです。効果があるとしても、時間がかかる通常のネイルはどうしても多用はできません。ネイルプリンターも今の時間ではギリギリのラインでしょうか。下地や乾燥に要する時間を短縮できたら広く活用されそうです。

このネイルプリンターは、言ってしまえば模様をプリントする機械なのですが、ネイル並みの品質に、簡単・早いが加わると、売り方に大きな幅が生まれます。カシオは、5本指を一度にプリントする技術も特許出願しており、さらに早さと簡便さを追求しているようです。ビジネスにおいて、早くて手軽と言うのは、それだけで価値がありますね。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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