医師事務作業補助者(ドクターズクラーク)を導入する〜お医者さんは、なやんでる。 第111回〜

第111回 「医師事務作業補助者(ドクターズクラーク)を導入する」

お医者さん
お医者さん
ああ、今日も忙しかった。病院の経営難が叫ばれる中、たくさんの患者さんに来てもらえるのは嬉しいが……さすがに人手が足りない。
お医者さん
お医者さん
かといって、医師を増やすというのも簡単な事ではないし、予算の問題もある。……どうすればいいんだろうな。
ドクターズクラークを導入してみたらいかがでしょう?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターズクラーク? 聞いたことがあるようなないような……。というか、あなたは一体?
はじめまして。ドクターアバターの絹川といいます。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、知り合いの医者から聞いたことがある。ユニークかつ大胆な提案をしてくれる人がいるんだって。
ありがとうございます。そんな風に言ってもらえるととても嬉しいです。もっとも、今回のご提案はごくごくベーシックな内容ですけれど。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターズクラーク、だったな。医療事務みたいなものだと認識していたけれど。
そう考えている方は多いでしょうね。でも実際はちょっと違うんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん? そうなのか?
はい。ドクターズクラークを日本語で言えば、「医師事務作業補助者」です。この名称がいわゆる「医療事務」と非常に似通っているので、よく勘違いされてしまうんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん。でも、実際医療事務と何が違うの?
そうですね、医療事務というのは、病院やクリニックで受付・会計といった窓口業務を担当する人です。具体的に言えば、医療費計算や会計処理、レセプト作成などですね。要するに診察が終わった後の事務処理を担う立場です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ。
一方、医師事務作業補助者というのは、診断書の作成や電子カルテへの入力などを担当します。事務作業を行うという点では同じでも、こちらはどちらかというと「診察のサポート」に当たります。言わば医師のアシスタント的な役回りですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、なるほど。確かに違うものだね。
ええ。これまでこの「医師事務作業補助者(ドクターズクラーク)」は、病院ではそれなりに導入されてきたものの、先生が経営されているような個人クリニックなどではあまり取り入れられていませんでした。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに、あまり聞かないな。だからこそ医療事務との違いも知らなかったわけだし。
ですよね。でも、先生がいまお悩みのように、「医師を増やすか迷っているが、予算を考えると難しい」というような状況に対しては非常に有効です。「医師事務作業補助者(ドクターズクラーク)」を導入することで、電子カルテ入力などの業務から先生は開放されます。
絹川
絹川
一般的に電子カルテ入力は診察と診察の間に行われることが多いと思いますが、そこを任せることで、診察の数や回転スピードを上げることができるんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かに、電子カルテ入力がなくなるだけで結構変わるかもしれない。個人的にあまり得意な作業でもなかったし。
しかも医師を一人増やすのに比べれば、非常に安価に導入可能ですから。そういった意味でも取り入れやすいと思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。うん、そう言われると試してみない理由はなさそうだ。それでなんとかなれば継続して、それでも難しければあらためて医師の増員を検討すればいいわけで。
仰るとおりですね。医師の増員を検討している場合、まずはドクターズクラークを入れてみる、というのがオススメです。いずれにせよ、先生が担っている業務の中から、「人に任せた方が生産性が上がる」業務を抜き出して、どんどん任せていくのがいいと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだな……これまでは「全部自分でやる」のが当たり前だと思っていたけど、もうそういう時代じゃないよな。
はい。これからは「業務を上手にシェアリングできる病院」が勝っていくと思います!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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