「全国を旅するクリニック?」〜お医者さんは、なやんでる。 第70回〜

第70回 「全国を旅するクリニック?」

お医者さん
お医者さん
ああ、今日も往診続きだった。田舎は家と家とが遠いから移動に時間がかかるんだよなあ。
お医者さん
お医者さん
それにしても、丸一日外を回って売上はこれだけか。車の運転は好きだからいいけど、これ以上往診案件が増えるのはちょっとなあ……。
往診が増えたのは患者さんの高齢化が原因ですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうそう。やっぱり年齢が高くなると、足が悪くて来れなくなったりね。病気で寝たきりになっちゃう人もいるし。……って、あなた一体どなたです?
初めまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターアバター? こんな田舎に随分とハイカラな肩書の人が来たもんだ(笑)。でも実際どう思う? 往診ばかりになったらウチ、食べていけないよ。
そうですね。確かに先生が仰るように、こういう過疎地だとかなり非効率な回り方になっちゃいますよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだよ。いくら運転が好きでも、一日外を回って売上はこれか……と悲しくなっちゃって(笑)。
じゃあ、もっと人の多い所でやったらどうです? 都会で移動クリニックをするんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? 移動クリニックだって? しかも都会で?
ええ。往診=家から出れない高齢者向けのサービス、というイメージがありますが、別にそんなことはないと思うんです。足が悪くなくても、寝たきりじゃなくても、あるいは若い人でも、お医者さん側から来てくれたら嬉しいなと思う人はいるはずなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
お医者さん側から来る。つまり医療のデリバリーってことか。
仰るとおりです!飲食店の移動販売カーとかと同じなんです。わざわざ行くのはちょっと面倒だけど、家の近くに来てくれるなら買ってみようかなと思うじゃないですか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどね! しかも都会なら人もたくさんいる、と。
その通りです。家と家との距離が短いので効率的に回れます。住宅街やマンションなどを狙うのもいいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
おお、それなら往診ついでに新規患者さんの獲得もできそうだ。
そうですね! そしてこのプランの最も重要な所は、先生が楽しいということですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? 僕が楽しい?
ええ、だって先生は車で旅行するのが大好きじゃないですか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
あれ、なんで知ってるの。
先ほど車の運転が好きだと仰っていましたし、それにこれだけ車の模型や旅行写真が飾られていたらわかります(笑)。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
あ、それもそうか(笑)。うん、本当は毎日でも車で旅に出ていたいタイプなんだよ。だから往診も苦じゃなかったんだよね。……そうか、移動クリニックってことは、僕はどこにでも行けるってことなんだ!
そうです!全国を旅しながら、かつ売上も立てられる。これはまさに先生のような方にぴったりのプランなんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うわあ、なんだかワクワクしてきたよ。ちょっと本気で相談に乗ってくれない?
もちろん喜んで!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

2件のコメントがあります

  1. いつも面白く拝見しております。
    移動クリニックは考えたことがありました。
    往診は、保険で認められるのは、通院出来ない患者だけではないでしょうか?
    クリニックの16kmの範囲もあり、移動の都度、申請するのでしょうか?

  2. いつもご覧いただきありがとうございます。
    移動診療車はいくつかの自治体で実証実験されています。医師がクリニックに居る前提なので現状はオンライン診療の算定になります。
    今後実証実験が終わると新たな算定項目として追加されるかもしれません。

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